りつこの読書と落語メモ

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きく麿独演会

8/6(月)ミュージックテイトで行われた「きく麿独演会」に行ってきた。

・きく麿「子ほめ」
・きく麿「だし昆布」
~仲入り~
・きく麿「蛇含草」
・きく麿「陳宝軒」


きく麿師匠「子ほめ」
1席目まさかの「子ほめ」でびっくり。しかもちゃんとした「子ほめ」(失礼!)。
なにゆえ?と思ったら、師匠のところに入った見習いくんに「子ほめ」を教えて、その上げの稽古をしたらしいんだけど、それがえええ?という出来だったらしく…。
「え?おれ、そんな風に教えたっけ」な気持ちでいっぱいになり、自分でやって確認したくなったのだと。

再放送しているドラマの中で「臨場」が大好き、というきく麿師匠。
その中で主役の倉石検視官が部下に現場で「お前…これ、どう思う?」と聞くと部下が自分の推理を話すのだが、その時倉石検視官が必ず言うセリフがあってそれが「俺のとは、違うなあ」。
もうこの決め台詞が好きすぎてこれを聞くために見続けていると言っても過言ではない。
この言い方を毎回少し変えていて、そのたびに「そうきたか!くぅーー!」と興奮する。
今日の見習いくんの「子ほめ」を聞いて思わず「俺のとは、違うなぁ」と言いたくなったが、ぐっとこらえた…。

…ぶわははは。おかしい~。

 

きく麿師匠「だし昆布」
このところ二回続けて「だし昆布」を聞いたけど、なんかすっきりした印象。どこが削られたのか、とかよくわからないんだけど、わかりやすくなった気がする。
ちょっとわかりにくいところや冗長に思えるところもまた好きなんだけどね。
でも確実に進化してるのがすごい。

 

きく麿師匠「蛇含草」
この噺を持っているけどなかなかかけられないのには理由があって…ときく麿師匠。
この噺のまくらでこういうのがある。

ある夫婦がバスに乗ったんだけど喉が渇いてしょうがない。
奥さんと旦那さんが「だから乗る前に水を買えばよかったのに」とぶつくさ言い合っていると、近くに座っていた乗客が「氷持ってるんですけど食べますか?」と話しかけてくる。
ありがたい!と氷を食べると喉の渇きが癒える。
しばらくしてまた喉が渇いてきて「氷をお願いする?」「いやでも」と話し合っていると「氷いりますか?ありますよ」と乗客。
「ただ…差し上げるのはいいんですが…」

その後に続く衝撃的な言葉。これがもうきく麿師匠はダメなのだそう。
このまくら、他の師匠で聞いたことある!
うげっとなるけど、「あははは」と笑っちゃうかな、私は。
「黄金の大黒」の中に出てくる、大家さんの猫の一件も、あそこがどうしても許せないっていう人もいるよね。
私はまぁまぁ…って聞き流せるかな。昔は動物は愛玩するものじゃなかったから。今も田舎のじじばばとかって「犬畜生」みたいに言うしね。
あと落語の中で亭主が「大黒柱だぞ」ってえばってるのも私は別になんとも思わず聞ける。
でも女房を殴る蹴る、家のものを全部質に入れて女郎につぎこむ、っていうのはなんかムキーーーっとなる。
人によって許せる、許せないのポイントはさまざま、なんだな。

そんなまくらから「蛇含草」。
この主人公の男、独特だよなー。
手拭いに穴開けて?着てえばってたり、餅を食べたくて催促したり、こんなの朝飯前だって大口叩いたり。
隠居がムキになるのも無理はないなー。
きく麿師匠の餅の食べ方のおいしそうなこと。ほんとにモグモグしていて笑っちゃう。
お腹いっぱいになってのどのあたりまで来てるのもリアル~。
楽しかった!

 

きく麿師匠「陳宝軒」
ああ、うれしい!「陳宝軒」大好き!
この訪ねてくる人もタケイさんなんだね(笑)!きく麿師匠の落語で必ず出てくるタケイさん。クセがあってクセになる。
角煮まんじゅう。それも普通の角煮まんじゅうじゃない、陳宝軒の特別な(奥さんの誕生日につくる?)角煮まんじゅう
でもほしいもの言っての角煮まんじゅうは陳宝軒のじゃない角煮まんじゅう
このあたりのセンスがたまらない。
これ、ほんとに落語好きの人にはたまらない新作。こういう改作をもっと作ってくれないかなぁ…きく麿師匠。

私が初めてきく麿師匠を浅草演芸ホールで見た時、周りのお客さんからじろじろみられるぐらいひっくり返って笑い転げた「陳宝軒」。久しぶりに聞けて嬉しかった~!