りつこの読書と落語メモ

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神田愛山・宝井琴調 夏の会

8/3(金)、らくごカフェで行われた「神田愛山・宝井琴調 夏の会」に行ってきた。
最近講談にも興味が湧いてきたので、前から好きだった琴調先生と貞寿先生の真打披露目で見て「なんか気になる」と思った愛山先生の二人会へ。
おそるおそる行ってみたららくごカフェは満員のお客さん。うわーーすごい。人気あるんだね。

 

琴調「忠治と山形屋
愛山「本多出雲守の討死」
仲入り
愛山「ご近所大戦(露地野裏人作)」
琴調「お岩誕生」


琴調先生「忠治と山形屋
忠治が山道で突然の雨にあって雨宿りをしていると、二人の男がやってきて忠治がいることに気づかず話をしている。
どうやらある爺さんが年貢を納められないので娘を女郎屋に五十両で売ったのだが、そこの主人をしてる男があんな爺に五十両をやるのは癪だから盗賊のふりをして襲って金を奪い返してこいと言われ、それが首尾よく行った帰りらしい。
二人は約束通り五両ずつもらえると言いあいながら出て行ってしまう。
忠治がとどまっているとそこへやってきたのが爺さん。「娘を売った金をとられてしまった。もう生きていることはできない」と首を括ろうとするのを止めに入った忠治。
その爺さんが十手を預かりながら女郎屋を営む山形屋に娘を売ったということを聞き、「話はわかった。私が行って金を取り戻してやろう」と言う。

忠治が最初は田舎者を装って「さっき盗賊のふりをして盗んだ五十両を返してくだせぇ」と言うと、「なにをぬかしてやがるんだ」とすごんだ山形屋藤蔵。
忠治が名乗りをあげると、とたんに腰を抜かして言いなりに…。

すかっとする話だなー。
そして琴調先生、かっこいいなぁ。暑苦しくない講談でなんかこう…想像の余地を残してくれてる感じがする。


愛山先生「本多出雲守の討死」
大阪夏の陣の話。
物語を畳み掛ける部分と、ふっと笑わせる部分のバランスが絶妙で、聴いていて全然疲れない。
大きな声を出したり力んだりするわけじゃないのに、ものすごい迫力がある。
でも「私の講談はリアリティーを追求してるから」と言って、言い換えたりするのが面白いし、緩急があって聴いていてとても楽しい。
な、なんか…癖になるなぁ。もっと聴きたくなる。


愛山先生「ご近所大戦(露地野裏人作)」
人間というのは岸田秀によれば本能が壊れた動物。本能が壊れているから、赤ちゃんは食べてはいけないものでも口に入れるし、狼に育てられたら狼になってしまう。
からしつけ、教育というのが大切になってくる。
親が人間関係を築くのが下手だとそういう親に育てられた子供は人間関係が苦手になる。私自身がそう。どれぐらい苦手かというと、人に道を聞けない。道を聞くぐらいなら一日中迷っていた方がましと思ってしまう。
そんなまくら(といっていいのか?講談の場合)から「ご近所大戦」。

大学で教えている男が住んでいるマンションが手狭になって一戸建てを借りる。
すると引っ越したその日、お隣さんが回覧板を届けに来る。
回覧板?!とショックを受けていると、次の日にはごみ集積所のごみ当番をやれと言われ、何日かすると今度は町内会のバザーに参加せよ、と言われる。
自分は家で勉強をしたいのに、なぜこんなにも町内会が自分の生活を圧迫してくるのか。
耐えられないと思った男は、ご近所付き合いからの独立宣言を行うのだが、これが評判になり、マスコミから取材がきたり講演を頼まれたり議論をたたかわせたい人間が電話をかけてきたり。
これでは仕事にならん!と近所の公園の広場で横になって、今日はもう家に帰らずにここで眠るかと思っていると…。

…うわーー、こういう新作講談もかけられるのね。面白い!

琴調先生「お岩誕生」
怪談だから照明を暗くしますか?と聞かれたけど、私は照明じゃなく芸で怖がらせて見せる。愛山先生は自分の暗さでお客さんを怖がらせる。
とそれまでさんざん愛山先生に言われ放題だったことへの反撃。わははは。

前にも聞いたことがあるけど、これもなんか発端は巻き込まれただけなんだよなぁ。
侍は気に入らないとすぐに相手を殺しちゃって、でもその後始末を飯炊きの男に押し付けるって…それがもとで女房が産み落とした子どもに因縁がって…。不条理だわー。

でもこういう物語は落語で聞くより講談の方がいいかもしれない。

とても楽しかった二人会。また別の会も行ってみようっと。