りつこの読書と落語メモ

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文豪たちの友情

 

文豪たちの友情 (立東舎)

文豪たちの友情 (立東舎)

 

彼らの関係は、とてもややこしくて、とても美しい。
文豪同士の友情を追ったエッセイ集。

佐藤春夫堀口大學は仲良しすぎて男色関係を疑われた?
室生犀星萩原朔太郎の出会いは最悪だった?
国木田独歩田山花袋は同居していてもケンカばかり?

最近再び注目を集めている、日本の文豪たち。学生時代、教科書で彼らの存在を知った、という人も多いでしょう。
でも、教科書に載っているから、後世に名をのこしているから、彼らはわたしたちにとって遠い存在なのでしょうか?
文学で成功してやろうとがんばっていた若き日の彼らは、本当はどういう人たちだったのでしょうか?

本書では、文豪同士の友情にまつわる逸話を紹介しながら、彼らの人生と作品に迫ります。
第一章は自他ともに認める「ニコイチ」の二人を取り上げました。
第二章は若くして亡くなった文豪を取り巻く人間関係がテーマです。友人を代表して一人の作家を選んでいますが、他にも親しかった人たちの言葉を多めにピックアップしています。
第三章は絶交のあと和解するなど、一筋縄ではいかない二人の複雑な関係を浮き彫りにすることを目指しました。
全13組の文豪たちの「友情の履歴書」を、ぜひ味わってみて下さい。文豪がテーマのマンガやゲームの元ネタもわかります。

★★★★★

とても面白かった。文豪たちの感受性の鋭さ、文学への純粋な情熱、そして身勝手さが素晴らしい作品を生み出し、ここに書かれているような強烈な友情を生み出したのだろうと思うと、なにもかもが愛しい。
友情という視点から文豪たちを切り取っているのも興味深いし、ミーハー心を刺激してくる。

以前は読まず嫌いをしていた谷崎の作品を最近大好きになったこともあり、ここに出てきた文豪たちの作品をもっと読みたい!と強く思った。

人間的に未熟でもエゴイストでも身勝手でも、自分の気持ちに正直に生き文学を追求した文豪たちはすばらしい。それを許した時代も素晴らしい。
道徳的にどうだこうだと言われる今の時代の方がよっぽど不自由でつまらないと思う。