りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

林家きく麿誕生祭

7/16(月)、中野小劇場で行われた「林家きく麿誕生祭」に行ってきた。

・オープニング 「Happy Birthday」(マリリンモンロー)
・きよひこ「うちの村」
・きく麿「寝かしつけ」
とんぼ・まさみ 漫才
・きく麿「だし昆布」
~仲入り~
・バロン ヴォードビル
・きく麿「殴ったあと」
・エンディング 歌謡浪曲俵星玄蕃」(きく麿)


オープニング 「Happy Birthday」(マリリンモンロー)
マリリンモンローに扮したきく麿師匠が舞台に登場し、もうそれだけですごいインパクトで大笑い。
そしてマリリン風に「Happy Birthday」を歌う。
これがなんか無駄に(笑)色っぽいし、バースディの発音がボースディになってるのがマリリンっぽくもあり嘘っぽくもありたまらない。
一つだけ残念だったのは放送で「オープニングは撮影OK」と言っていたのに、あっけにとられて写真を撮りそびれたこと。


きよひこさん「うちの村」
前座のきよひこさん。初めての新作。
緊張がこちらにも伝わってくるようで…ドキドキするやらほほえましいやら。
サゲがちょっとわかりづらかったんだけど、面白かった。
あとで出てきたきく麿師匠が、あれがきよひこさん初めての新作の高座と聞いてびっくり。いいもの見た!


きく麿師匠「寝かしつけ」
マリリンにすべての力を注いできたのでもう終わった気分…と言いながら、なんとこの日は三席もやるという。わーーい。
この日のためにダイエットをしていたというきく麿師匠。
炭水化物を抜いていたらしいんだけど、おいしいものを食べられないというのはこんなにも辛いものか!と言うきく麿師匠の言葉に激しくうなづく。
そうなんだよー。今日のお昼は何食べようーとか、隙があるから生ビール頼んじゃおう~とか、間が1時間ほど空くから軽くつまみながら一杯やろうとか、そういうのが本当に人生のヨロコビ!それがない人生なんて!
でもこのダイエットはこの先の人生を健康でおいしいものを食べて過ごすためのもの、という言葉にまた激しくうなづく。
そうなんだよねー。私もこの先もずっとお酒を楽しむためにも、アル中にだけはならないように気をつけねば…太りすぎにも気を付けて…ってもうすでに太りすぎ…もごもご…。

そして旅の仕事で泊まった宿の朝食がバイキングで、今なら何を食べれるかなー、ご飯は抜いて、でもサラダはたくさん取ってー豆腐はいいよね?あじの干物とかあったらそれも…なんて思っていたら、なんとその宿で食べ放題なのはパニーニ。
…いらねぇっ!パニーニなんて!!
と絶叫するきく麿師匠。ぶわはははは。
twitterでもパニーニへの怒りをぶちまけてたからなー。おかしいなぁ。

そんなまくらから「最近作った噺の中から」と「寝かしつけ」。
これもう最高ー。
子どもが寝てくれないからどうやって寝かしつけたらいいか教えてくれと相談する男と、「え?なんでそれを俺に?俺子どもいないからわかんないよ」と困惑する男。
お前が村で一番頭がいいんだから、と言われて「村ってなんだよ!俺住んでるの村じゃないよ!」。
わかんないと言いながらも仕方なく「じゃ子守歌歌えよ」とか「昔話しろよ」とかアドバイスするも、ヘンテコリンな理屈でダメ出ししてくる相談者。
このおかしなところにこだわるところ、その想像がどんどん膨らんでとんでもなくなっていくところ、たまらなくおかしい。
サゲは前に聞いた時と変わっていたような気がする(うろおぼえ)。面白かった!


きく麿師匠「だし昆布」
噺が始まったとたん、後ろの席の方から「よっしゃ!」の声。
ぐふふふふ。聞きたかったんだね、この噺を。なんかこちらまで嬉しくなっちゃう。

何度聞いてもおかしい。この独特な世界。
これ、出てくる人誰もが納得してないんだよね。
奥さんは旦那がもっと出汁を作れるはずと思ってるし、旦那はなんで炬燵で鍋で作らないといけないんだよ、コンロで作らせてくれよと思ってるし、米屋の主人はもっと量産しろよと思ってるし、買いに来る奥様方はもっと入荷しなさいよもったいぶらずにと思ってる。
出てくる人たちの疑問に答えるラストエンペラー(仮)がもう最高すぎる。
彼の放つ「だからこの出汁を使ってなんか料理作ればいいよと思って渡したんだよ。それを出汁だけ売って足りない足りないって。商売へたか!」の言葉が最高すぎる。しかもこのセリフ、以前はなかった気がするんだな。進化してるんだなぁ。
そして私はこの噺のネタ卸しに立ち会った、というのがすごい自慢なのだ!えへん!


バロンさん ヴォードビル
以前、せめ達磨で一度見て、また見たいと思っていたバロンさん。
す、て、きっ!
ウクレレと歌とタップの組み合わせがすごく軽くてかっこいいし、木のスプーンでリズムをとったり、帽子を曲に合わせてころころころっと転がすのもかっこいいし、くーーーーたまらん。好き好き。
バロンさんの「Happy Birthday」もとても素敵だった。
あと「ご祝儀」の歌も(笑)。歌いました、いっしょに。


きく麿師匠「殴ったあと」
いちゃいちゃしてるように見える部長と部下、そして訳ありそうな仲井さん。
このシチュエーションだけでもそそられるのに、この仲井さんが自分の過去を語りだすところの破壊的なおかしさ…。
見ていて知ってるはずなのに、覚えているよりずーーーっと強烈なので、毎回驚いてひっくり返って笑ってしまう。
またこれに冷静に突っ込む若手社員が絶妙で…。

いやぁ楽しかった。
三席やって三席とも大爆笑ってすごい!


エンディング 歌謡浪曲俵星玄蕃」(きく麿師匠)
そして最後はマイクを持って歌謡浪曲
私、こういう歌にまるで詳しくないんだけど、これめっちゃ難しいでしょ!
途中もやっとしたところもあってそれがまたおかしい。
で、終わった…と思ったらまだ続くのがまたおかしくて。
いやぁほんとにすごいわ、きく麿師匠のサービス精神。
自分の誕生日を自分でこれだけ盛り上げられるって素晴らしい。大満足の会だった。