りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場7月中席昼の部

7/13(金)、鈴本演芸場7月中席昼の部に行ってきた。


・市朗「真田小僧
・伊織「寄合酒」
翁家社中 太神楽
・燕弥「一目上り」
・圓太郎「強情灸」
・ホームラン 漫才
・馬石「鮑熨斗」
・菊丸「祇園祭
・のだゆき 音楽パフォーマンス
・文菊「たがや」
~仲入り~
・ダーク広和 マジック
・玉の輔「マキシム・ド・のん兵衛」
・小里ん「親子酒」
ホンキートンク 漫才
・南喬「家見舞」


燕弥師匠「一目上り」
燕弥師匠といえばいつもさん助師匠との二人会で見ることが多いので寄席で見るのはなんか新鮮。
「一目上り」うきうき弾むような高座で見ているこちらも楽しくなってくる。ほんとに楽しそうだった。よかったー。


馬石師匠「鮑熨斗」
ぼんやりした甚兵衛さんがすごくかわいい。そしておかみさんがしっかりしてるけどとっても優しいのが馬石師匠らしい。
口上も「最初の所はいいよ。もやもやで。向こうが察してくれる。大丈夫。でもここは肝心だよ。つなぎじゃなくて他でございます。ここだけはしっかりやらなきゃだめ」。
教わった甚兵衛さんが「ほんとにうちの女房はしっかりしてる。あれだけ言えるなら自分で行きゃぁいいのに」のぼやきもおかしい。
とてもチャーミングな馬石師匠の「鮑熨斗」だった。

でも私の前にすわった通っぽいおじいさんは気に入らなかったらしく、私が笑ったら「こんなもんに笑うのか」とばかりに振り向いて睨んできたのが本当に不愉快だった。自分が笑えないからって他の客を取り締まらないでほしい。
自分が知ってることをべらべらしゃべったり先にサゲを言う爺より、人が笑ってるのをとがめる爺の方がもっと嫌だなぁと思った。また振り向かれたらいやだなぁと思ったらその後笑えなくなっちゃった。仲入りで席を移れてよかった。

文菊師匠「たがや」
最近まくらで「落語家は顔が崩れてるぐらいの方がいい、その方が面白い、でも私は…生まれながらに整った顔で生まれてしまい…そして身にまとった上品さはぬぐうことができない」って言うようになったのね。そして「わかります。お客さんの視線でみなさんの言いたいことは。こう思ってるんでしょ。なんだろ、この変なお坊さんは」。
…ぶわはははは。いつからこういうキャラに?ちょっとおかしいぞ。

そんなまくらから「たがや」。
私はこの師匠の色気過多な落語が苦手なので「紙入れ」とかそういう女性が出てくる噺より、こういう噺の方が好きかも。
「たがや」、すごくきれいで流暢で楽しかった。


南喬師匠「家見舞」
一文無しなのにえばってる男と、一緒に買いに行こうと言われて気持ちよく付き合う男。二人のやり取りが楽しい。
「お前それしか持ってないのか?よく大の男がそんな銭でえばって歩いていられるな」
「そんなに悪く言うことないじゃないかよ。じゃお前はいくら持ってるんだよ」
「俺は一文もないよ」
「えええ?一文無しで俺の事そんなに言うことねえじゃないかよ」
「まぁ、そう言うなよ」

道具屋とお金のやりとりも楽しい。
手をすぼめて「5」って出すのも、南喬師匠の大きなしぐさと大きな手だとダイナミックで余計おかしい。

二人で瓶をかついで歩きながら、このままってわけにいかないから洗っていこうと言って、縄に土をつけてそれで瓶を洗わせようとするのは初めて聞いた。
「お前が縄で瓶をごしごしこすれ」
「ええ?それでお前はどうするんだよ?」と言われた方が、俺は水をこうやって…と手でばしゃばしゃかけるしぐさ。
ずるいよと言われて、しょうがねえなぁ、じゃ二人でやるか、とくせーくせー言いながらごしごしやるおかしさ。

兄貴の家に行ってからも、美味しそうに食べる姿と、瓶の水と聞いてうへぇーとなるギャップがおかしくて、大笑い。

楽しかった~。
やっぱりいいなぁ、トリは。