りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

さん助ドッポ

6/27(水)さん助ドッポ

・さん助 ごあいさつ
・さん助 初代談洲楼燕枝の述「西海屋騒動」第二十回「義松の妹」
~仲入り~
・さん助「船徳

 

さん助師匠 ごあいさつ
潮来で舟に乗ったというさん助師匠。
いろんな船頭さんがいて、若い人、年寄、女性…。
中で年寄の船頭さんはお客さんと話をするのが嫌なのか、ラジカセで「潮来のい~たろう~」を大音量でかける。
その大音量にめげず、おばさんグループが船頭に話しかけてる。
「ねぇ、普段はなんの仕事してるの?」「船頭さんっていくらぐらいもらってるの?」
話しかけられた船頭さんも適当にあしらえばいいのに「この仕事は日給で1万円。それもここに来る交通費込み。あんまりいい仕事じゃないよ。」

私はあやめを眺めながら舟に揺られて風情を感じたいのに、大音量の演歌に船頭さんの日給の話とか…情緒もなにもあったもんじゃない!

…ぶわはははは。そりゃそうだ!
いやそれにしてもこの日の立ち話、なぜか上手しか見ないさん助師匠。誰かを見てるわけじゃなくて時計のあたりを見てる?
もともとあんまりお客さんの方を見ないさん助師匠だけど、目をそらしてる感がはんぱない。
なんでそっち側しか見ないのだ。まるでEJR師匠みたいじゃないか。あの人もこの間、まくらでも落語でも下手しか見ないからそれが気になって気になって。なんかほんとに自信がないように見えるんだよー。ちゃんとお客と向き合えよー。たのむよー。


さん助師匠 初代談洲楼燕枝の述「西海屋騒動」第二十回「義松の妹」
7月のドッポ、25日じゃなくて23日です。私、間違えてました、と。
それに気が付いたのもかわら版さんから電話があって、7月25日の両国亭は別の会が入ってるようなので確認してください、と言われたから。
でも私…ほんとに意固地なんですね。つくづくそう思いました、今回。そういわれてもまだ「絶対かわら版さんの方が間違ってる」と思ってましたから。次の日両国亭を管理してる事務所に電話したら、事務的でした。「23日です。25日じゃありません」。

…ぶわははは。あなたが意固地ということはこの会に通ってるお客さんはみんなよーーくわかってますよ。だってこんな噺を最後までやりきろうっていうんだから…よっぽど意固地でしょう。

そんなまくらから「西海屋騒動」。
この日の「西海屋」は本当にひどい話なので体調の悪い人は来ない方がいいです、というさん助師匠からのメッセージツィートもあったほど。
それにしても客を断る落語会ってどうなんだ。ほんとに誰も来なくなったらどうするんだ。

柳橋お茶屋の婆に声をかけられた親分風の男。これが今では江戸で名をはせるようになった義松。
「もう茶は飲んできたから今日のところは帰る」という男に「お前さんに見せたいものがあるから寄って行っておくれ」と婆。
それならと上がる義松に「あそこにいる女が今吉原で有名な…」と婆。
横顔を見た義松ははっとし、もう少し顔が見えるようにしてもらえないかと婆に頼む。
婆が女のところに行くと今度は女が「今来た親分だけどあの人はもしかして昔高崎にいたことはないか、聞いてみてくれないか」という。
婆が義松に話を聞くと、ああ、ということはやっぱりあれは…となり、二人で話をさせてくれと婆に頼む。

この女が生き別れになった義松の妹(血はつながってない)のお糸。
二人で駆け落ちしたところ、お糸は山賊に連れ去られてしまっていたのだ。
お前は今までどうしていたのだ、と問われたお糸が語るには…。

山賊にかどわかされたお糸は旅館に連れて行かれ、お前は女郎か旅芸者に売る、売る前にお前を味わわせてもらうぜと山賊たちに言われる。
いっそ舌を切って死のうかとお糸が思っていたところ、障子ががらりと開いて入って来た男。
隣の部屋に泊まっていて声が聞こえたから入って来た、自分は呉服屋の主だ、という。
どうせ女郎に売るのだったら私に売ってくれないか、いったいお前たちはいくらで売るつもりだったのだ、という。
山賊が50両で売るつもりだったと言うと、「そんなはした金か」と言って75両出し、お糸を買う。
いったい何があったか聞かせてくれと問う呉服屋の主人にお糸は自分に都合のいいように話をする。
そしてその晩二人は枕を交わす。
江戸へお糸を連れ帰った主人は妻子の手前お糸を家に入れるわけにはいかない。
なじみの遊郭にお糸を預ける。そこでお糸は三味線や歌など一通りの稽古をし、店に出るようになったのだ、と。

その話を聞いて義松が「じゃお前は金持ちの妾になって面白おかしく暮らしていたのか」と吐き捨てるように言うと、お糸は「そんなことはない。この17年の間、兄さんはどこにいるのか、私を探してくれているのか、そのことだけを考えてきた」「こうして会えたのだから、兄さんの家に連れて行って」と言う。

義松は義松で今までの顛末を話すが、もちろんお静のことは一言も触れない。
そして自分も江戸で親分と呼ばれるようになった身の上なので、いきなりお前を連れて帰るわけにはいかない、と言う。
お糸がすぐにでも一緒になりたい、家に行きたいと言うのをどうにかなだめて家路に向かう義松。
「お静を始末しなきゃならないな」と独り言ちているとそこに声をかけてきた男。これが女を女郎屋に売る仲買いをしている七助。
ちょうどいいところで会ったと義松が七助に相談すると、任せてくれと七助。

家に帰った義松はお静に、自分の親分のことで急に百両入り用になった、と話す。
しかしいきなり百両などという大金は用意ができない。どうしようと話しているところへ、七助がやってきて、ある金持ちが女を探しているのだがこれが生娘ではなく泥水を飲んだ経験あるような年増がいいと言っていて見つけてくれたら百両出すと言っている、と話す。
それを聞いてお静が「ならば私が…」と言い出す。
これが義松の計略とは知らないお静は、いつものように自分が義松のためにひと肌脱いで義松がすぐに自分を連れ帰ってくれると信じているのだった。

…うげーーー。
なんだよー義松、お静を売っちゃったよー。ひでーー。
お静もお静だけど、でもお静は義松に惚れていてこんなに尽くしてきたのにー。ひどーい。
それにしてもこの義松っていう男はいったいなんなのだ。
何を目的に生きているのかが全くわからない。
金と女が好きなんだろうけど、でも情のかけらもないし、いきなり任侠に入ったのも意味不明だし、そもそも親分になるにはそれなりに人望がなくちゃだめなんじゃないの?
せこい嘘ばかりつきやがって。
そして根は悪人じゃないけど弱い部分があって流されやすいとか、根っからの悪人だけど魅力があるとか、そういうのでもないし、中身がからっぽとしか思えない。お前はいったい何が好きなんだ?!と胸倉つかみたくなるよ、ほんとに。

さん助師匠も今回が一番しんどかった、普段は速記をそのまままずは写して、それを台本に落とし込んでいるんだけど、今回は台本に落とす気持ちになれなかった、と。
台本にしたら噺を全部変えたくなるから、と言ってたけど、いっそ変えてほしかったわ、ほんと…。
義松にあまりにも魅力がなさすぎて…。とほり。


さん助師匠「船徳
気を取り直して、と「船徳」。だったんだけど、これが全然気を取り直せない(笑)。
なんか少しも船が進んでる感じがしないし、二人のお客さんもどっちがどっちだか。
徳さんが途中でキレてからは、さん助師匠らしい明るさとはちゃめちゃさがちょっと出てきて楽しかったんだけど、そこに至るまでがなんか…もごもご。
もういっそ最初からこわしちゃってさん助風味のはちゃめちゃな船徳にしてもらいたかったなー。


って、文句ばかりになっちゃった…。
これも愛ゆえ。
って、お前のため思って殴ってるんだ、殴られたお前よりお前を殴る俺の手の方が痛いんだ、って言う暴力夫みたいになってるかも?あたし?やばい。ちょっと距離を置いた方がいいのかしら…。
次回に期待。さん助師匠にも自分にも。