りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

黒門亭(1部)第3155回

6/23(土)、黒門亭(1部)第3155回に行ってきた。


・やまびこ「転失気」
・圭花「松山鏡」
・圓十郎「禁酒番屋
~仲入り~
・楽一 紙切り
・甚語楼「船徳


圓十郎師匠「禁酒番屋
初めて見た噺家さん。
禁酒番屋」で菓子屋のふりをしてやってきた酒屋の若い衆が「酒屋でーす」って来ちゃうのはさすがにまずいのでは(笑)。いろいろびっくりした…。


楽一さん 紙切り
おそらく黒門亭だとお題が出にくいから?なのか、辞書を持参してこれをお客さんに渡してぱっと開いたページで「これ」と思ったものをお題にリクエストするという趣向。
イデアマンだなぁ…。素晴らしい~。


甚語楼師匠「船徳
圓十郎師匠とは同期で前座時代、よくつるんでいた。
ある時、前座3人でファミレス行って喋ってた時にみんなでお金があったら何したい?って話になった。
私は釣りが好きなのでどこかの島を一つポーンと買いたい、と言った。
もう一人はロケットを買って宇宙に行きたい、と。
圓十郎師匠が言ったのは…「靴が買いたい」。

靴なら今から買いに行けよ!!と言ったんですけど、まぁ「金があったら」といったときに想像する金額っていうのは人それぞれなんですね。

そんなまくらから「船徳」。
これが見たくて歯医者から直行したのだ。ひゃっほい!

もうね…全然違うよね。テンポとか人物の描き分けとか…言葉や所作に一つも無駄がなくて、話し始めたとたんにその世界にすっと入って行ける。

船頭がいないと言われた客が店に残っている徳さんに気が付く場面。
徳が気取った形で柱に寄りかかっているのがおかしい。
徳を見送るおかみさんが本当に心配して「もうだめだと思ったらあの二人はいいから自分だけ帰ってくるんだよ」というのにもわらう。

竿をものすごい恰好で振り下ろすと客が「やめてくれねぇか。さっきから水が撥ねるんだけど」にも大笑い。

ブチ切れた徳の「簡単じゃないんですから!」の大きな声も、それまでなだめていた方の客が「だめだこれは」と気づいた後の協力体制もおかしく、ほんとに最初から最後まで楽しい「船徳」だった。