りつこの読書と落語メモ

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若手特選落語会 桂夏丸真打披露興行

6/21(木)、お江戸日本橋亭で行われた「若手特選落語会 桂夏丸真打披露興行」に行ってきた。

 

・小夢「茶の湯」(前半)
柳橋「替り目」
・幸丸「昭和歌謡(?)」
~仲入り~
・真打昇進披露口上(小夢、夏丸、幸丸、柳橋
・うめ吉 俗曲
・夏丸「猫怪談」

 

柳橋師匠「替り目」
寄席で何回も見ているけど、実は今までぼんやりした印象しかなかった柳橋師匠。
あたたかみのある「替り目」でとても好きだった。
おかみさんがいいなぁ。酔っ払いの亭主にあきれながらもちゃんと相手をする感じ。
「もううるさいんだから。わかったわよ。めんどくさいねぇ。…あたしのお酌じゃおいしくないだろうけどいっぱいいかが?」にやさしさがじんわりにじみ出る。
酔っ払いの亭主もうるさいけど穏やかで好きだなー。
楽しかった。

 

幸丸師匠「昭和歌謡(?)」
鼻声でちょっとお疲れ気味。大変だよねぇ…芸協は自分の弟子以外がトリの日でも毎日出るんだもん。
今日は夏丸は歌わないそうだから、と懐かしい昭和歌謡の話。
いやこれがもうツボで。
文明堂のCMの歌、確かにいまだに頭にこびりついてる!そしてあの人形、なぞだった!でもほしかった(笑)!
何の必要もないのにDHCの電話番号言える!あるある。
師匠も歌がうまいんだねぇ。
笑った笑った。

 

真打昇進披露口上(小夢師匠:司会、夏丸師匠、幸丸師匠、柳橋師匠)
小夢師匠 ふつうは司会は喋らないんですけど、夏丸さんとの思い出をちょっと喋らせてください、と。
私の時は前座が4人でどうにか寄席を回せる人数。ところが夏丸さんの代になったら1人。これは大変なことなんです。
というのは前座が足りないといつまでたってもニツ目に上がれない。留年みたいになっちゃうんです。
ですから我々にとったら夏丸さんは本当に大切な存在。絶対やめられちゃ困るっていうんで、ずいぶん大切にしました。ええ、もうかわいがりなんてもってのほか。おいしいイタリアン(サイゼリア)にも連れて行きました(笑)。

柳橋師匠
夏丸さんは脱力系っていうのか力の入らない落語…いやでもそれがとても面白くてほかの人には出せない味がある。
こうやって女性のファンも付いて…。羨ましい。
でもこれからは同じ真打同士として米丸師匠とも同じ土俵で戦わなければならないんですから、大変です。

お披露目始まって以来のふざけない口上(笑)!
司会は変にこなれた師匠より若手真打の方がいいのかも。あ、伸治師匠は別!not若手なら伸治師匠でプリーズ。そうじゃなければ若手真打!
よかった。

 

夏丸師匠「猫怪談」
昨日で池袋演芸場のお披露目が終わった夏丸師匠。
これで蘭さんとの二人の披露目は終わり。
披露目の時はおめでたい噺をやるというのが暗黙の了解としてあるんですが、今日が31日目。31日目ともなるともそんなこと言ってられませんよ。

昔は人が亡くなった時、その家に猫がいるかどうかを気にしたそうです。というのは猫は主人が亡くなると魔物となっていたずらをすることがあったから。
それで人が亡くなると魔物よけの意味を込めてナイフなどの光るものを胸のところに置いて棺に入れる風習があった。
そんなまくらから「猫怪談」。

以前「夏丸谷中慕情」で聞いたことがあるけど、これとっても与太郎がかわいい。
バカだからおとっつぁんが死んだことにも気づかない…というよりは、それを認めたくなかったんじゃないかな、と思う。
棺桶の中のおとっつぁんと暗い夜道で留守番してる時の独り言。
「あーほんとにおとっつぁん死んじゃったのかな。生き返っておくれよ。おとっつぁん死んじゃったらあたい独りぼっちだよ。あ、おとっつぁんおいらのこといつまでも半人前だって言ってたから、一人じゃねぇや。半人ぽっちだよ」
魔物がとりついて死骸が起き上がっても「おとっつぁん!起きてくれたんだね!」と喜び、ぴょこぴょこはねる死骸に「おとっつぁんは上手、おとっつぁんは上手」。

不気味だけどかわいくておかしい。
また怖がり屋の長兵衛が本気の大声出して怖がるのがすごくおかしい。

…披露目のトリでこの噺。ぶれないなぁ…夏丸師匠は。
でも合ってるんだよなぁ、こういう噺が。ちょっと民話っぽくて怖いようなおかしいような不思議な世界。

お江戸日本橋亭でのお披露目の会。寄席のお披露目の番外編という雰囲気でゆるくて楽しかった。