りつこの読書と落語メモ

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ラヴクラフト全集 (4)

 

ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))

ラヴクラフト全集 (4) (創元推理文庫 (523‐4))

 

 ★★★★

ヒマラヤすら圧する未知の大山脈が連なる南極大陸。その禁断の地を舞台に、著者独自の科学志向を結実させた超大作「狂気の山脈にて」をはじめ、中期の傑作「宇宙からの色」「ピックマンのモデル」「冷気」や、初期の作品「眠りの壁の彼方」「故アーサー・ジャーミンとその家系に関する事実」「彼方より」の全七篇にエッセイ一篇を収録した。

ラヴクラフト全集第四巻は科学に比重の置かれた作品を中心に構成した」とあとがきにあって、どうりで読みづらいわけだわ…と思う。
特に名作といわれる「狂気の山脈にて」の奥歯にものの挟まったような何かを示唆するような、でもはっきりと書かないもやもやした表現に、ええ?なんのこと?何言ってるの?ムキーー!となりながら…でも読み飛ばすと最後まで読んでも何一つ分からなそうだったので我慢して(!)読んだ。

人間より遥かに昔から存在した宇宙的恐怖(コズミックホラー)と聞くと何かよくわからない感じがしてしまうのだが、自分の手に負えないもの、もっともっと巨大で果てしなくて想像の及ばないものを目の前にした時の恐怖というのは想像できる。
南極でこの巨大な山脈を見つけた時の主人公たちの恐怖は、「クトゥルフもの」と言われてもピンとこない私にもリアルに感じられた。

感情的な表現を排して描かれているのに、見てはいけないものを見てしまったような深遠な恐ろしさが残る、というのは確かにすごい、のかもしれない。(もやもや)

そういう意味で「狂気の山脈にて」以外の作品の方が私には理解しやすくじわじわと恐怖に取り込まれる感じは読んでいて楽しかった。特に面白かったのは「宇宙からの色」「冷気」。