りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

i(アイ)

 

i(アイ)

i(アイ)

 

 ★★

 「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは―。「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ―直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編!

世界で起きている紛争や災害に無関心でいること。
自分たちが災害に巻き込まれること。しかし巻き込まれたといっても受けた被害の大きさには雲泥の差があって、そのことに罪悪感やいたたまれなさも感じている。
何となく自分のそういう「痛いところ」を突かれるような…そんな作品。

しかし正直言って、好きになれなかった。
大好きな西加奈子さんの作品だし、おそらくこの作品を書くのは相当しんどかったのではないかということも想像できるし、覚悟をもって書いた作品だったようにも感じるけど、でも好きになれなかった。

「この世界にアイは存在しません。」とうフレーズが何度となく出てくるのだが、それに「ああもう…!」とうんざりしてしまうほど、私にははまらなかった。
訴えたいことが前に出すぎてしまっていて、それがうるさくて物語の世界に入り込めなかったなぁ。登場人物もこう薄っぺらで魅力を感じられなかった。