りつこの読書と落語メモ

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卍(まんじ) (1951年) (新潮文庫〈第261〉)

卍(まんじ) (1951年) (新潮文庫〈第261〉)

 

★★★★★

夫に不満のある若い妻・園子は、技芸学校で出会った光子と禁断の関係に落ちる。しかし奔放で妖艶な光子は、一方で異性の愛人・綿貫との逢瀬を続ける。光子への狂おしいまでの情欲と独占欲に苦しむ園子は、死を思いつめるが――。おたがいを虜にしあった二人の女が織りなす、淫靡で濃密な愛憎と悲劇的な結末を、生々しい告白体で綴り、恋愛小説家谷崎の名を不動のものとした傑作。 

 げんなりするくらいねっとりとした世界。登場人物誰一人好きになれないし、話を聞いて書いている「先生」(谷崎自身)にも嫌悪感をかんじるが、それなのに面白い。
じっとりしてるのに爽快ですらある不思議。

それは恐らく全ての元凶である光子が清々しいほどにエゴイストであるからなのかもしれない。自分を見てほしい、好きになってほしい、我を忘れるほどに。
醜悪、でも魅力的。

谷崎、変態だわー。でも、あー面白かった。
長いこと日本の文豪を読まず嫌いだったけれど、こうして読むと本当に面白い!
まだまだ読んだことのない作品がたくさん残っているのが嬉しい。