りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

羊と鋼の森

 

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

 ★★★★

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。 

我が家にもいつも来てくれる調律師さんがいたことを思い出した。
きちんと背広を着て執事のような風貌で礼儀正しくていつも時間をかけて丁寧に調律をしてくれた。音を確かめるときに弾くメロディが好きだったなぁ。
調律が終わると出されたコーヒーを静かに飲んで礼儀正しく帰っていく。
宮下さんももしかしてそういう調律師さんを知っていて、そのイメージからこの作品を書かれたのかしら、なんてことを思った。

美しすぎる物語にも感じられるけど、調律の世界はそうなのかもしれない…と信じたい気持ち。よかった。