りつこの読書と落語メモ

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野蛮なアリスさん

 

野蛮なアリスさん

野蛮なアリスさん

 

 ★★★★★

現代韓国最注目作家、「暴力の心臓部」を描いた傑作!

「私はアリシア、女装ホームレスとして、四つ角に立っている」
ソウル郊外の農村コモリに建設される大規模マンションを巡り、人々の欲望がどこまでも加熱する――凶暴な母と年老いた父、そして沢山の食用犬と暮らす少年アリシアの、たったひとりの戦い。

韓国日報文学賞、シン・ドンヨプ文学賞、イ・ヒョソク文学賞、大山文学賞、キム・ユジョン文学賞……数々の賞を総なめにする韓国最前線の女性作家が、強烈なイメージで描く怒りと敗北、そして無垢な祈りの物語。

 

 面白かった、と言っていいのか悩むくらい、残酷でしんどい物語。

日常的に暴力をふるう母に、飼っている犬を殺して食う父。見て見ぬふりをする悪意に満ちた隣人に、役に立たない行政。

子どもはあまりに無力で、暴力には暴力で立ち向かうしかないのか、持たない者に浮上するチャンスはないのか。

悪夢のような物語。まさに「目を開けて見る悪夢」だが、ものすごい力があって、ヘタレな私でも目をそらすことができない、ページをめくることをやめられなかった。

インパクトのある表紙と相まって、忘れられない一冊になりそうだ。