りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場5月上席夜の部

5/8(火) 、池袋演芸場5月上席夜の部に行ってきた。

宮田陽・昇 漫才
・夢花「あくび指南」
・談幸「王子の狐」
・コント青年団 コント
・圓馬「蛸芝居」

 

宮田陽・昇先生 漫才
一番好きな漫才師。いつでもほんとに面白い。そして毎日少し内容を変えてくれるのも嬉しい。
「みなさん、山口達也くんのことを忘れないでくださいね。リメンバー山口メンバー」には笑った。


夢花師匠「あくび指南」
あくびの師匠のあくびがそれほど風流じゃない。「中に行って」を「吉原行って女遊び」とわざわざ言い換えなくてもいいような気が…。
それよりもなによりも稽古にきた男のあくびがけたたましい!(笑)。
夢花師匠の芸風って、ムキになったときのさん助師匠のよう…。なんて言ったら両方に失礼か。ぷぷっ。
でも面白かった。


談幸師匠「王子の狐」
こんな優しいおじさんにだったらだまされちゃうな、狐でなくとも…。
狐ちゃんにはお酌してあげて、自分は手酌。これ、両方ともすごく酔いそうだな。注がれる方も手酌の方も。
狐を捕まえようとした店の人たちは店の主人に、狐をだました男は手土産の卵焼きを持って行った兄貴分に「お狐様にそんなことをするなんて」とたしなめられるのが面白い。

サゲの余韻がいいなぁ。大好き。
最初から最後まで楽しかった~。


圓馬師匠「蛸芝居」
今年に入って体を壊しまして、と圓馬師匠。
そうなのだ。今年に入って圓馬師匠を見られてないなぁ、寄席にも入られないみたいだし、えーん…と思っていて、しばらくしてそのことを知ったのだ。
脱腸の手術をしたということを師匠のtwitterを見て知ったのだけれど、いやぁ…痛そう。
出産の痛みに比べれば…なんてことを言う人がいるけど、いやいやいやいや、切るような手術とは痛さの質が違うと思うんだなぁ…。
なんでも3か所手術をしなければいけなくていっぺんにやるか自分で決めなければならなくて、結局二回に分けてやることにしたらしい。
一回目が終わってみれば、一回にしておけばよかった、と思うよなぁ…確かに。
情けないけど本当に痛くて痛くて…ってそりゃ痛いよー。

で、仲間がお見舞いに来てくれたんですけど、これがありがたいような迷惑なような。
というのは切った後ですから笑ったりしたらいけないんですよ、傷口が開いちゃうから。
だけどみんなどうにかして笑わせようとするんですね。
それで私は実感しました。
「笑うことは健康のためによくない」。

…ぶわははは。
そんな話から、昔は民間療法があれこれあってその中に「蛸に当たったら黒豆を3粒食べると治る、というのがあった」というまくらから「蛸芝居」。
初めて聴く噺!!

ある砂糖問屋。この店は主人から奉公人に至るまでみんな芝居好き。何をするにも芝居掛かり。
朝、主人が起きて奉公人が起きてないことに気づき、では起こしに行くか。あいつら、普通に起こしても起きないだろうから、とここも芝居がかりで。
主人の熱演に布団の中から掛け声をかける奉公人。それを叱る主人。

奉公人二人は主人に言われて表の掃除。
しかしここでも芝居仕立て。
それを主人に見つかり、お前たちは二人揃うと芝居の真似ばかりして仕事をしない、と別々に用事を言いつける。
仏壇の掃除を申しつけられた定吉は位牌を手にとって「ご隠居はいいひとだった。よくお芝居に連れて行ってくれた」と思い出に浸ったり、「この婆はすごい意地悪だった。死んでも頭痛になるように」と位牌を逆さにしまったり。
そして位牌を使った芝居はなかったかと探し始め、また芝居。
ここで主人が入ってくると主人に向かって「禿ちゃん」呼ばわり。(ぶわははは!)

位牌で芝居とは罰当たりな!
お前は子どもの重りをしろと、今度は赤ん坊のお守り。
しかしここでも定吉は赤ん坊を抱いたまま芝居を始め、興が乗って赤ん坊を庭に放り出す…。
主が飛んできて「今度芝居のまねごとをしたらクビだ」と脅されて、さすがの定吉たちももう芝居はできないと肩を落としていると、やってきたのが魚屋でこの人も芝居好き。
自分たちはできないからせめて魚屋にやらせようとかけ声をかけると、まんまと乗せられた魚屋。
口上をやってるところに主人がきて、鯛と蛸を注文。
蛸は酢だこにするというので、定吉に酢を買いに行かせ、蛸はざるに置いておくのだが、なんとこの蛸も芝居を始め…。

もうとにかく次から次へと芝居掛かりになっていくのだが、歌舞伎がわからないのがとっても残念。わかったら二倍三倍面白いだろうなぁ。
でも芝居を始めるうちに徐々に興が乗っていくのと鳴り物が入るタイミングがぴったりでとっても楽しい。
そして圓馬師匠の蛸が…とても蛸…もう蛸にしか見えない…(笑)。
幕が下りた後、下からにゅっと手が出て(蛸の足?)こちらに向かって振っていたのがすごくおかしくて、楽しかった~!

圓馬師匠って端正なところとふざけるところのギャップが大きくて毎回びっくりしちゃう。
そして手術のまくらからの「蛸芝居」って…。こんな動きの多い噺をするってことは、完全に治ったと考えてよいのかしら。