りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

三遊亭好の助真打昇進披露興行

5/3(木)、お江戸両国亭で行われた「三遊亭好の助真打昇進披露興行」に行ってきた。

・鳳笑「つまようじ」
・幸之進「黄金の大黒」
・一蔵「鷺とり(好の助由来)」
・あおい「紀伊國屋文左衛門 宝の入船」
~仲入り~
・真打ち昇進披露口上(鳳笑、一蔵、宮治、好の助、幸之進、あおい)
・宮治「初天神(好の助由来)」
・好の助「文七元結


鳳笑さん「つまようじ」
今日の口上の司会をしなければいけない、という鳳笑さん。緊張で夕べは眠れなかった、と。
1日目の口上をやった先輩から「録音していいよ」と言っていただきありがたく録音させてもらったんだけど、香盤の低い順に口上をしなきゃいけないのに師匠に最初に口上を指名してしまったり、柳亭なのに三遊亭と言ってしまったり、もうぼろぼろ。だけどちゃんとなんとかなってはいて、それを聞きながらますます眠れなくなってしまった。

で、口上の前振り?ということで、いきなりここで好の助さんの紹介。
一緒に前座修行をしたこともあるんだけど、とにかくこの兄さんは正義感が強くて人によって態度を変えたりすることのない、分け隔てのない人です。
大学を出た後、つまようじの会社に入社し、つまようじ業界でもなくてはならない人材となりかけたのですが、そこをあえてやめて演芸の道へ。
そしてみなさんご存じのとおりお父さんはナポレオンズのボナ先生。だからお金持ちです。

一方の僕は貧乏育ち。どれだけ貧乏かといえば、小学生の時の制服のYシャツは襟が丸襟。つまり女物。リコーダーも近所の子のおさがりでその子の名前が書いてあった。
中学の時のボンタンズボン、先生にとりあげられてジャージで帰ってきたら、下校途中に父親(隣の高校で教師をしていた)とばったり。事情を話したら次の日父親が「これ卒業生が置いていってくれたやつがあったから」と同じようなボンタンズボンを持ってきてくれた。でもそれはきっと卒業生が置いて行ったのではなく、自分と同じようにとりあげられたやつなのでは…。

話がなんどか「つまようじ業界」に戻ったりしながら落語はせずに終了。
ぶほーーー。また落語聴けなかったー。でもこの人面白い。好き。


一蔵さん「鷺とり(好の助由来)」
落語家10人ぐらいで自分の家の近所の公園でバーベキューをした話。
荷物をリヤカーに乗せて運んでいたらヤンキーたちにからまれた。血気盛んな連中が多いなか「兄さん、あたしに任せてください」と出てきたのがななこさん。
ヤンキーたちに「あんたたち親のすねかじってんでしょ。あたしたちは仕事してるんだから。あんたたちの相手なんかできないのよ」。
ヤンキーに「何の仕事してんだよ」と聞かれ「落語家よ!」。

…言えますーー?落語家よ!なんて。言えないでしょ、普通。恥ずかしくて。
しかもヤンキーに「なんて名前だよ」と聞かれ「林家ななこよ」。

…言えますーーー?言ったってわからない名前なのに。

…ぶわはは。笑った。
そんなまくらから「鷺とり」。テッパンなのかな。ドッカンドッカンうけてた。
そして鷺たちの様子をあらわすのにすごい顔芸。でも「この顔で笑わないってよっぽど性格悪いよ」って…すごい自信あるんですね…。


真打ち昇進披露口上(鳳笑さん:司会、一蔵さん、宮治さん、好の助師匠、幸之進さん、あおいさん)
ぐだぐだ(笑)。でも好の助師匠がみんなに愛されてることはよーく伝わってきた。いろんな協会の人がこんな風に出る真打ち披露興行っていいなぁ。微笑ましい。


宮治さん「初天神(好の助由来)」
子どもが好の助さん、父親がボナ先生、という設定。
スピード感、たっぷりのギャグ、そして親子のブラックな会話。面白かった。
会場もものすごい盛り上がりだった。


好の助師匠「文七元結
一蔵さんがまくらで「トリはもう本気出してやりますから。”文七”とかやると思います」と言っていたのをうけて?まくらなしで「文七元結」。
時間がそんなにたっぷりなかったので刈り込んでいたけど過不足なくとてもよかった。

私は今まで好の助師匠を見たことはなくて、あの襲名の騒動で「大変だったね…」と思い応援の気持ちで見に行ったんだけど、嫌らしくなくてしゅっとしていて好きだったな。