りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場4月中席夜の部

4/13(金)、池袋演芸場4月中席夜の部に行ってきた。

 

・よし乃 太神楽
・幸之進「のめる」
・寿輔「堀之内」
東京ボーイズ 歌謡漫談
・談幸「宗珉の滝」


幸之進さん「のめる」
面白い!幸之進さん、面白くなってるなぁ。間がよくなってるのかな。


寿輔師匠「堀之内」
いつものように客いじりとやる気がないというようなまくら。
前列に座ったお客さんが常連さんで昨日も来ていたというので「じゃ別の噺しなきゃ」。
今までに3回ぐらいしかしたことない噺だから面白くないよ。いやほんと。話を始める前に結論を言う噺家は私ぐらいだよ。そこは私のすごいところ。

なんてことをいいながら「堀之内」。
これがめちゃくちゃ面白かった。やる気なさそうに小さめの声で話すんだけど、テンポといい間といい絶妙で笑い通し。
途中で「ここまでで2か所間違えちゃった。でもうまくごまかした。わからなかったでしょ?そういうところには腕があるのよ。…なんて余計なこと言ってたらどこまでやったかわからなくなっちゃった」なんてことをぼそっと言うのもおかしくて、笑った笑った。楽しかった!


東京ボーイズ先生 歌謡漫談
ネタが新しくなってた!
私、菅六郎先生が好きで好きで。

談幸師匠「宗珉の滝」
わー、珍しい噺。談幸師匠はいろんな噺を聞かせてくれるから嬉しいなぁ。
これ、面白い噺だよなぁ、と思う。
宗珉の弟子の宗三郎の彫った虎を「死んでる」と評した宿屋の主人。見る目があるから自分の師匠になってほしいと言う宗三郎をただで住まわせてやって道具も揃えてやる主人。
でもその居心地の良さから徐々に慢心する宗三郎。
お殿様に彫ってほしいと言われた刀の鍔。それを見て「なかなかの出来栄え」と宗三郎も主人も思うのだがお殿様は受け取らず作り直せと言う。
主人の見る目もそこまでじゃなかった、っていうことなんだろうなぁ。

この主人のキャラクターがなんか面白いなと思う。
酒を飲みながら彫ったりするからだと怒るけれど、宗三郎がやけを起こしたらいけないと店の者に追いかけさせる優しさ。
そして宗三郎が滝に打たれて断食するというのを聞くと、だったら私も断食する!と言った後に、だから店の者も断食しろ!と言うおかしさ。
なんかこの軽さが好きだな、この噺。
息を止めて聴くような緊張感でいっぱいの噺より、わーーーっと集中して聞いていて、ふっと笑ってしまう部分がある噺が好きなんだ。

またそこまでして彫った鍔を見て「こりゃまずい出来だ」とがっかりする主人。「えーこれが断食したあとに彫った鍔?(自分も断食するって)言うかどうか、見てからにすればよかった…」。
なんかこういうのも、他のこういう噺と違っていて面白いな。

この噺の少しひねくれたところと、談幸師匠の深刻になりすぎない落語が好きだー。でもちゃんと情や職人の世界の厳しさは伝わってくる。