りつこの読書と落語メモ

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第百八十七回 にぎわい座名作落語の夕べ 旅の噺特集

4/7(土)、「第百八十七回 にぎわい座名作落語の夕べ 旅の噺特集」に行ってきた。
この名作落語の夕べっていい企画が多いなぁ。

 ・かん橋「だくだく」

・里光「東の旅 発端」
・夢花「二人旅」
~仲入り~
・柳若「七度狐」
・蝠丸「田能久」

 

里光師匠「東の旅 発端」
前座噺ということだけど、言い立てはあるわ、はめものはあるわ、難しい~。
前半部分はちょっとわからないところもあったけど、それがまた楽しい。
上方落語には旅の噺(東西南北、地獄まで)が多いというまくらも面白かった。


夢花師匠「二人旅」
「二人旅」はあまりかけられない噺、と言ってたけど、結構よく聞いてる(笑)。落語協会ではわりとよくかけられてるってことなのかな。

夢花師匠って早口すぎて聞き取りづらいときがあるんだけど、今日はそんなこと全然なくて…声がとても大きいというか発声がよくて聴きやすかった。なんだろ?いろいろやってみてるのかな。

「やなぎや」のおばあさんが異常なハイテンション。えええ?なんでそこまでハイテンションに?ずっとこのテンションでやるの~?
やりながら「これ、喉がもつかな」とポツリ。何も喉がもたないくらいの勢いでやらなくてもいいような…。なんにしてもちょっと度肝を抜かれた。


柳若さん「七度狐」
この噺大好き。面白いし雰囲気もあるしとってもお得な噺って気がする。もっと協会の若手噺家さんもやればいいのに。

麦畑を真っ裸の男二人が「深いか浅いか」言いながら真剣に通る面白さ。
おたけばあさんのところはちょっと不気味で、それだけにわかったときにほっとして笑ってしまう。
楽しかった。

 

蝠丸師匠「田能久」
落語はだいたい3つのジャンルに分けられる。面白くてばかばかしい滑稽噺、じーんとくる人情噺、ぞくぞくっと怖い怪談噺。でも中にはこの3つに入らない、中途半端な変な噺があって…これからする噺もそんな噺。
今日はお子さんもいらしていて…でもすごくちゃんと聞いてくれていて、ほんとに楽屋一同みんな感謝してます。
そんなまくらから「田能久」。

田能久さんがお芝居が好きで、必ず見に行っては声をかける…というところまでいったところで、自分の師匠の文治も芝居が好きでよく歌舞伎を見に行ってた、と。
贔屓の役者さんもいてお付き合いもあって、そういう人が出てくると声をかけていた。
自分は高校を卒業してすぐに入門して、一度も歌舞伎を見に行ったことなどなかった。
入門してすぐ師匠に歌舞伎に連れて行ってもらって、すごくいい席で見ることができたんだけど、贔屓の役者が出てきた時に師匠が大きな声で声をかけて、自分はそれに驚いて「ひゃーーーー」と大きな声が出てしまった。
あ、わたし、驚くと声が出ちゃうたちなんです。
そうしたらその役者さんもびっくりして一瞬芝居が止まったと思ったら笑ってしまっている。
後で師匠と楽屋に謝りに行って怒られるだろうと思ったら「よかったよ。これからがんばって」と逆に励まされてしまった。

…そこまで言って「あれ?田能久さんはどこまでいってましたっけ?師匠の話をしにきたわけじゃないんだから」。わはははは。

おろちに狸と勘違いされた田能久さんがかつらをかぶって真似をするのがおたけばあさんだったりする楽しさ。
昔話っぽい雰囲気が蝠丸師匠の語りにぴったりで、最初から最後まで蝠丸師匠の掌の上でころころ転がされる気持ちよさ。

ちょっぴり不気味でばかばかしくて楽しかった~。