りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家さん喬一門会Part1 新釈・明烏 

3/31(土)、鈴本演芸場で行われた「柳家さん喬一門会Part1 新釈・明烏」に行ってきた。


・一猿「弥次郎」
・小んぶ「強情灸」
・喬の字「たらちね(松本幸四郎誕生秘話)」
・さん若「猫と金魚」
・小傳次「寿司屋水滸伝
・小菊 粋曲 
・さん喬「抜け雀」
【中入り】
・新釈「明烏


一猿さん「弥次郎」
面白くなってる~。口調がいいしテンポもいいし素直な落語で好き。


小んぶさん「強情灸」
前に「小んぶにだっこ」で見た時よりぐっと面白くなっていた。
特別小んぶさんらしい改変があるわけじゃないけど、えも言われぬおかしさが。
灸をすえる変な訛りの男が、「32粒いっぺんにすえてくれ」と言われてから、訛りが消えたのがばかばかしくておかしかった。


さん若さん「猫と金魚」
番頭さんのすっとぼけぶりがすごくおかしい。
「旦那様。そのことにつきましては質問がございます」という台詞の繰り返し、人形みたいなきょとん顔がおかしくて大笑い。

さん喬師匠「抜け雀」
おかみさんが「ちょいと、お前さん」と顎をぐいっと引いて呼ぶしぐさがすごくおかしい。
うるさいおかみさん、人のいい宿屋の主人、一文無しのくせに堂々としている絵師、とキャラクターがくっきり。
千両の値が付いても約束を守って売らなかった主人を「正直な男だなぁ」と喜ぶ絵師が印象的だった。


新釈「明烏
新内 明烏夢淡雪 黒田絵美子(脚本)
さん喬、小菊、小春、小傳次、さん若、喬の字、小んぶ

幕が上がると、吉原に遊びに来たお客役の小傳次師匠と、水を撒く小んぶさん。小んぶさんがどこをどう見ても牛太郎で笑ってしまう。
そこへ「もうこんな店にはあがらねぇ」と怒って出てくる春日部のお大臣のさん若さん。これがまたぴったりで笑ってしまう。
そこへ店の主人・さん喬師匠が登場して、「居続けの時次郎と時次郎を匿っている花魁浦里を捕まえろ」と。
ほーー、ってことは時次郎と浦里役は誰が?

そう思っていると場面が転換して、布団部屋。
さん喬師匠が落語を語る、という形式。
おおお、なるほど。全部が全部お芝居ではなく、要所要所がお芝居で、メインは落語と新内、なのね。

この展開に全く無理がないのがすごい。
そしてさん喬師匠の落語が少し抑え気味で、小菊師匠の新内が情感たっぷりで…素敵…でも新内の部分が正直よくわからない…ええと、結局二人は助かったの?どうなの?

芝居部分の完成度も高くて、相当練習したんだろうなぁ。

めったに見られないものが見られた満足感。楽しかった。