りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭3月中席夜の部

3/20(火)、末廣亭3月中席夜の部に行ってきた。

・かな文「やかん」
・一左「幇間腹
・ひびきわたる 漫談
・天どん「タラチネ」
・春輔「夕立屋」&かっぽれ
笑組 漫才
・志ん輔「野ざらし
・小里ん「親子酒」
・仙三郎社中 太神楽
・文雀「伽羅の下駄」
・一朝 「壷算」
~仲入り~
・さん助「手水廻し」
・ホームラン 漫才
・きく麿「ロボット長短」
・左龍「宮戸川(上)」
・正楽 紙切り
・文蔵「笠碁」


天どん師匠「タラチネ」
前に聞いた時より言いたてがスピードアップしていてそれがめちゃくちゃおかしい。
嘘っぽい英語なんだけどそれを自信満々によどみなくやるからたまらなくおかしいんだよなぁ。
ツボにはまって笑った笑った。最高。


春輔師匠「夕立屋」&かっぽれ
昔、奉公していた小僧はなかなか甘味は食べられない。甘いものに飢えていたけれど、夏はそういう小僧たちが唯一甘味にありつける季節。
お客が来るとお茶と一緒に水ようかんを出すのだけれど、それを運んでいるときに、水ようかんを上からぺろりとなめる。そうすると上がぺこっとへこむのだけれど、それは上下入れ替えればぴたっとはりついてばれることがない。
師匠の彦六が奉公していた時それをやったらひっくり返した底がすでにへこっとなっていてえらい焦ったことがあったらしい。

そんなまくらから、「夕立屋」。
夏の暑いさなか、通りを「夕立屋ー」と言って通る者がいた。
旦那が言いつけて呼び入れて「夕立を呼び出してくれるのか」と聞くと「そうです」と。
「じゃやってくれ」とお金を渡すと、本当に夕立がやってきて庭にさーーーっと雨が。
「涼しくなった」と旦那は大喜び。
お前さんたいした腕だね、この分なら冬は冬で暖かさを呼び出せるんじゃないかと言うと「それは私ではなく倅の仕事です」と。

…いやぁ楽しい。小噺と短い落語でもこんなに楽しいって。春輔師匠、素敵!


文雀師匠「伽羅の下駄」
この師匠も珍しい噺をかけてくれるから好きなんだーと思っていると、聴いたことのない噺。

豆腐屋の六さんが大家に呼ばれて説教されている。
「豆腐屋なんて言うのは朝早く起きなきゃいけない。お前は豆腐屋のくせに店を開けるのがお昼になってからじゃないか。早起きは三文の得というんだから、まずは早起きをしろ」
六さん、次の日になって早起きをして豆をひいていると、通りかかった侍が「水を飲ませてくれ」と言う。
井戸水をくんで飲ませてやると「うまい水である。美味である。もう一杯」
もう一杯やると「値段はいくらじゃ?」
水はただですからお代はいりませんと言うと、それじゃ申し訳がない、しかしあいにく小銭を持ってないから、わしの下駄を置いて行く、と言う。
ならばと下駄をもらい、代わりに自分の汚い草鞋をあげた。
六さんがおかみさんと二人で朝食を食べているとどこからかいい香りがしてくる。何かと思えば先ほど侍が置いて行った下駄。この下駄はなんの下駄なんだろうと大家のところに店に行くと「これは伽羅の下駄と言ってたいへん値打ちのあるものだ」と。
早起きは三文の得どころじゃない、と六さんは大喜び。家に帰って女房に…。

いやほんとにみんないつもいつも同じネタばかりじゃなく、こういう珍しい噺をしてくれると通う甲斐があるなぁー。
楽しかった!好き好き。


一朝師匠「壷算」

あーでも一朝師匠だと、聞き飽きた噺でもこんなに面白い。この師匠のテンポの良さと明るさと軽さはほんとにいいなぁ。きびきびしていて、だけどほわっとした優しさに包まれていて、最高。

さん助師匠「手水廻し」
前の日が前の日だったので冷や冷やしていたら「手水廻し」。この日のお客さんにはぴったりで(中には引いてる人もいたけど)大爆笑。
いやもう女中が「お客様」とやって来ただけでおかしい。
笑った笑った。

きく麿師匠「ロボット長短」
わーーい。DVDでしか見たことがなかった噺。うれしい~!
「落語の方に出てくる人物は決まっております。大家さんにご隠居さん、くまさんにはっつぁんにバカで与太郎、それにロボット」って…。ぶわはははは!

ちゃんと長短なのがおかしいし、ロボットの動作に時々えらい手数がかかるのがおかしすぎる!
それがいつもじゃないっていうところがミソだなぁ。センスを感じるなぁ。
持ってきたお団子を出すところももう…大爆笑だった。最高。

左龍師匠が「仲入り後はカオスです…」と言っていたのがおかしかった。