りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

左龍・甚語楼二人会

3/9(金)、お江戸日本橋亭で行われた「左龍・甚語楼二人会」に行ってきた。


・御挨拶(左龍、甚語楼)
・市若「弥次郎」
・甚語楼「牛ほめ」
・左龍「お見立て」
~仲入り~
・左龍「釜泥」
・甚語楼「子別れ(下)」


御挨拶(左龍師匠、甚語楼師匠)
今年に入って楽屋ではインフルエンザが大流行、という話をしていたときに、左龍師匠が権太楼師匠の顔真似をしたのがおかしかった~。それを見て甚語楼師匠が「私は(この話には)加わりません」とすっと引いたのにも笑ってしまった。
この二人会には初めて来たんだけど、左龍師匠がとてもリラックスしている印象を受けて、面白いなぁーと思った。


甚語楼師匠「牛ほめ」
聞き飽きた噺なのに笑ってしまう。
与太郎がおじさんの家を見て「あーーだめだ。これじゃ30分じゃ焼切らないわ」とつぶやくのに大笑い。
おじさんの前で紙を読むんじゃないぞと言われた与太郎が、おじさんの後ろに回って読むばかばかしさ。
楽しかった。


左龍師匠「釜泥」
おじいさんが入った釜の蓋をやたらと閉めたがるおばあさんに大笑い。
この噺、あんまり聞くことないけど好きだなぁ。特にサゲが好き。落語らしくて楽しい。


甚語楼師匠「子別れ(下)」
珍しく胃腸の具合が悪くなって病院に行った時。検査をして特に大きな問題はなく「胃腸炎」と診断された。こういう時につい気になってしまうのが酒は飲んでもいいかどうか。
「刺激物、冷たいものは控えてください」とは言われたけど、酒は?
いやまあ良くはないんだろうけど、全然だめってこともない?
恐る恐る聞いてみると、苦笑いの先生。「そうですねぇ…あまり冷やさない方がいいので…」
「じゃ、お湯割りとか?」
「お湯割り…ねぇ…」
「薄め、なら?」

…ぶわははは。こういうところが好きなんだよー甚語楼師匠。わかるわかるー。私もそこが絶対気になるもの。そこ、すごく重要だもん。
そんなまくらから「子別れ(下)」。

前半のぐでんぐでんの酔いっぷりから、お酒が抜けて真っ当になったくまさんのギャップ。酒で自分を見失ってたくまさんの姿がくっきり。
かめちゃんの話から、おかみさんは今でもくまさんがお酒をやめて普通に戻ってくれるのを待ってることが伺える。
鰻屋さんには番頭さんも来ていて橋渡しをする。

私は番頭さんが出てこない方が好きなんだけど…だってちゃんと自分で言ってほしいもんなぁ、親子3人一緒に暮らしたいっていうの。
でもくまさんが一人になって後悔していることは番頭さんとの話から伝わってきたし、自分のせいでかめちゃんに不自由な思いをさせているという後悔が二人で話している姿からも伝わってきた。

甚語楼師匠の落語を聞くといつも「かっこいい」という言葉が浮かんでしまう。何がどう…ってうまくいえないけど、野暮じゃないんだよね。しゅっとしてる。でも全然かっこつけてない。スマート、というとまた意味が違っちゃうけど。
好きだー。もっと見に行きたい噺家さんの一人だな。