りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

雑な読書

 

雑な読書 (BURRN!叢書)

雑な読書 (BURRN!叢書)

 

 ★★★★★

 英米文学をはじめ多くの作品を手掛けている翻訳家・古屋美登里氏が“雑読”を旨とする幅広い選書と軽妙洒脱な文章で導く豊かな世界…BURRN!1994年1月号から連載中の書評エッセイ、初期の傑作50選!著者と書評家・豊崎由美氏が「本を読む愉しみ」を大いに語る対談も収録!!

本について書かれた本が大好きなので期待して読んだのだが、期待した以上の素晴らしさだった。
読みたい本が増えたのはもちろんのこと、エッセイの部分には「わかるわかる!」と頷いたり「すごいなぁ」と尊敬の念を抱いたり…本を読むことの意味についても考えさせられた。


「本はアンテナであり、窓であり、希望であり、鎧である。」
なんて素敵な言葉。
学校生活や仕事で行き詰った時、ああ自分は一人ぼっちだと思った時、本を開けばそこには無限に広がる世界があって、それが何度も私を助けてくれた。
それは現実逃避だったかもしれないけど、自分が今いるこの世界が全てではないと知ることが、どれだけ励みになったかわからない。

私は翻訳本が好きなのだが、それは自分の住んでいるのとは違う世界があることを知ることができて、だけど国が違っても人間は同じなんだなということを確認できるから。
そんな世界を見せてくれる翻訳家の方々には感謝の気持ちしかないし、古屋さんの訳された本を追いかけるようにして読んできて、その古屋さんの考えてることや読んできた本を読めるなんてほんとに幸せ。

憧れの翻訳家の古屋さん。結構ダイナミックなロックな人なんだなというのが新たな発見。