りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

大江戸悪人物語2017-18(全8回)episode 5

2/27(火)、日本橋社会教育会館で行われた「大江戸悪人物語2017-18 episode 5」に行ってきた。

・昇市「桃太郎」
・松之丞「慶安太平記より 佐原重兵衛」
~仲入り~
・龍玉「真景累ケ淵より お累の婚礼」


昇市さん「桃太郎」
昇太師匠の7番目のお弟子さんとのこと。
「私、4年前に自分の親と師匠のお許しをいただき、噺家になりました。ここでわざわざ自分の親と申し上げましたのには訳がありまして…。実はうちの父親、大変堅い仕事をしております。公務員です。公務員の中でも…警察官です。その父親の誕生日が1月10日。つまり…110番。まさに警察官になるべくして生まれてきたような人間でして…」そういったあと「私、こちらの会に呼んでいただいて大変ありがたいのですが、会場に入って初めて気が付きました。この会、悪人の会なんですね…。警察官の倅が悪人の会…」。

…ぶわははは。おもしろい!
こういうマニアックな会に集まるお客をまくらで笑わせるってすごいな。
「師匠に似て活舌が…」とおっしゃっていたけど、楽しい「桃太郎」だった。


松之丞さん「慶安太平記より 佐原重兵衛」
昇市さんのことを「できる前座さん」と褒める松之丞さん。
自分も龍玉師匠もこのあと笑いどころはいっさいないから、お客さんが唯一笑えるのが前座さんの落語だけ。だから笑わせてきてねと言ったら、ちゃんとああいうまくらをふってお客さんを笑わせられる。
そうすると次に上がった時にとてもしゃべりやすい。
これが前座さんがいまいちだと客席が微妙~な雰囲気になってる。
そういう意味では自分はいつも微妙~な空気にしてました。
なにせ松鯉に前座時代に教わったのがこれからする物語だったりして、私前座のころ平気でこのはなしを開口一番でかけちゃってましたから。
浅草の箸が転がっても笑うようなおじちゃんおばちゃんをしーん!!とさせちゃってました。
そんなまくらから「佐原重兵衛」。

前回ぐらいから謀反のためのメンバー集めの話が続いている。今回もそうらしい。
宗矩がお供連れて夜桜を見に行った帰り、いきなり宗矩の乗っている駕籠に槍を刺した人間が。
宗矩は咄嗟に避けたのでケガをすることもなかったのだが、明らかに自分を狙った行為にいったいだれがこんなことを…と思いをめぐらす宗矩は、その後しばらく自分を訪ねてくるものがあるともしかすると自分を狙った人物かもしれないと思い、会うようにしていた。

そんな時いかにも田舎者という様子の男が弟子にしてくれと訪ねてくる。
門弟たちは鼻で笑ってバカにするのだが、宗矩は心にひっかかるものがあり弟子として受け入れる。
何か月かたってから側近が宗矩に「あの男、文字が書けないなどと申していたがどうやらそうではないらしい」と、その田舎者が落とした俳句を持ってくる。その文字を見て宗矩は槍を刺したのがこの男・佐原重兵衛であることを見抜く。

…前回といい今回といいどちらかというと地味目な話で前日の疲れ(飲みすぎ)もあって少しうとうとしそうになった。


龍玉師匠「真景累ケ淵より お累の婚礼」
お久の墓参りに行った新吉はそこで同じように墓参りに来ていた女に会う。
それがお久の叔父三蔵の妹のお累。お累と新吉は一目見るなり二人とも目が離せなくなり、とくにお累の方は新吉に恋い焦がれるようになる。
ある夜、お累の部屋に蛇が出て、逃げようとしたお累は囲炉裏にかかっていた湯をあびて顔の半分に火傷を負ってしまう。こんな顔になったらもう新吉に会うことは叶わないとふさぎ込むお累を心配した三蔵は新吉に会いに行き、お累と結婚してくれないかと言う。
行き場のない新吉は快諾し、二人は結婚することに。

婚礼の晩、新吉がお累の部屋に行ってみると、なかなか顔を見せようとしないお累。
何度も請われてようやく顔をあげたお累の火傷姿を見て、これも豊志賀の呪いかと驚く新吉。そこへ蛇が現れて…。

…新吉もいったいどういう人なんだろうなぁ、と聞いていてなんかもやもや。
顔だけはいいから女にはもてて、根無し草のように女のところへ引き寄せられていくけど、必ず豊志賀の呪いで新吉が女を殺す、という展開なのかな。
新吉がからっぽな印象。

なんとなくこの日はちょっと単調に感じてしまった。自分の体調にもよるのかもしれない。