りつこの読書と落語メモ

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ゴーレム

 

ゴーレム (白水Uブックス)
 

 ★★★

 プラハユダヤ人街に住む宝石細工師の「ぼく」は、ある日、謎の人物の訪問を受け、古い書物の補修を依頼されるが、客の帰ったあと、彼について何も思い出せないことに気づいて愕然とする。どうやらその男は33年ごとにこの街に出現するゴーレムらしいのだ。やがて「ぼく」の周辺では次々に奇怪な出来事が…。夢と現実が混淆する迷宮めいたこの物語は、第一次大戦さなかに出版され、熱狂的に読まれたドイツ幻想文学の名作である。

ユダヤ人街ゲットーで記憶を失った男ペルナートがゴーレムに出会う。ゴーレムは不完全な自分自身なのかあるいは失った記憶の断片なのか自分の分身なのか。
とにかくこのペルナートが終始怯えていて…恐ろしい告白を聞いたり事件に巻き込まれたりと相当ひどい目にあうのだけれど、後半になるとそのこと自体に意味がなくなってくるようで…。

最後に彼が見た光景は要するに宗教的に解脱を遂げた、ということになるのだろうか。

もやっとしか理解できなかったのだが、これが100年前に熱狂的に読まれたというのに驚く。宗教的な下地があると読み方も違ってくるのかもしれない。