りつこの読書と落語メモ

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四人の交差点

 

四人の交差点 (新潮クレスト・ブックス)

四人の交差点 (新潮クレスト・ブックス)

 

 ★★★★★

四人の声で語られる百年の物語フィンランドの新鋭、衝撃のデビュー長篇。助産師として強く生きた祖母。写真 技師だった奔放な母。子供好きで物づくりに長け、若くして亡くなった父。それぞれの声で語られる喜びと痛みの記憶は、結末でやがて一つの像を結び、ある秘密を照らし出す。北国の歴史と一家の営みが豊かに響きあう、百年の物語フィンランドでベストセラーとなった「家」をめぐる傑作長篇。 

私生児を産み助産師という仕事に打ち込み家を増築することを生き甲斐に生きてきたマリア。
娘ラハヤもマリアと同じように私生児を産むが子煩悩なオンニと結婚し彼との子どももうける。
母とは違う幸せをつかんだかに見えたがオンニには誰にも言えない秘密があった。

オンニの拒絶に傷つき攻撃的で子どもに愛情を示すことができない嫌な女ラハヤに何故かとても共感してしまった。一つ屋根の下に暮らしながら本心を明かすことなく秘密を抱えて苦しむ孤独な人たち。

家族ってこんなに寂しいものだったっけ…。

全体的にもやもやと陰鬱な作品だけれど、フィンランドの風景や家の描写なども含めて、とても好きだった。