りつこの読書と落語メモ

はてなダイアリーからブログに移行しました。

末廣亭11月下席夜の部

11/28(火)末廣亭11月下席夜の部に行ってきた。

北見伸 マジック
・萬橘「看板の一」
・金太郎「ふぐ鍋」
~仲入り~
・松之丞「雷電初土俵
・柳之助「時そば
・圓馬「弥次郎」
・喜楽・喜乃 太神楽
・松鯉「赤穂義士伝~赤垣源蔵徳利の別れ」


萬橘師匠「看板の一」
わーーー、末廣亭で萬橘師匠が見られるって幸せ!
円楽師匠の代演で本人は申し訳ながってた(申し訳なさそうではなかったが)けど、ぜんぜん!むしろ代演歓迎ラッキー!と言いたい。

大勢のお客さん&異様な盛り上がりに戸惑い気味?長いまくらから眼鏡をはずさず(これも珍しい気が。いつもまくらが終わると眼鏡をはずしてたイメージ)に「看板の一」。
いやぁもうこれがめちゃくちゃ面白かった。親分が二つ持ってるサイコロをうまく操るんだけどそれを見た若い連中が「すげーー。サイコロが二つに見えるよ」「さすが名人だな」と感心。
壺ざるからサイコロが出てしまっているとわかってから、全財産を賭ける奴がいたり、預かっていた町内費を賭けちゃう奴がいたり。
ピンと出ていたのが「看板のサイコロ」と知って、「あーー今年の祭りはなしだー」の声がおかしい。

真似をしようと思った男が次の日別の賭場に出かけて行って「お前ら、また博打か」と言うと「いや博打やってねぇよ。もんじゃ焼いてる」
「え?博打は?」
「だからもんじゃ焼いてるんだって」
「え?もんじゃ?博打は?やらないの?博打?」
「しょうがねぇなぁそんなにやりたいのか。じゃもんじゃもそろそろ飽きてきたから博打やるか」

準備ができてさあやろうとなると親分の真似をして「おめぇら、よるとさわると博打だな」。
「お前がやりたいって言うから始めたんじゃねぇか!」

親分を真似してサイコロを操ってみるとサイコロをやたらとこぼしたり、博打の蘊蓄を語るときにもんじゃの蘊蓄を語ったり。

もうなにもかもがおかしい!なのにそれが全然噺を壊してない。
すごいな、萬橘師匠って。
笑った笑った。最高だった。


松之丞さん「雷電初土俵
出てくるなり「待ってました!」の掛け声がかかりすごい拍手。
この集客は松之丞人気によるものなのか?すごいなー。

でも龍玉師匠との会での高座とは似ても似つかないような高座だったなぁ。なんか本人もやりづらそうな感じ?うわすべりしているように見えたけど気のせいかな。
もう何を言ってもどっかんどっかんウケてむしろこわい。
こういう中で自分を見失わずにいるのって難しそう…。


圓馬師匠「弥次郎」
松之丞さんの高座のどっかんどっかんの後のしーんと冷え切った高座の次の出番ってすごくきつそう。
やりづらそうだったけど、でも面白かったー「弥次郎」。
「おはよう玉」のところで「グッドモーニング」が凍ったり、火事が凍った時「焔(炎?)」の形に凍ったり…嘘のバリエーションが独自に面白い。
楽しかった!


松鯉先生「赤穂義士伝~赤垣源蔵徳利の別れ」
鯉栄先生、貞寿先生では聞いたことがあるけど、松鯉先生では初めて。

暇乞いに来て兄に会うことができず兄の羽織に向かって話しかけながら酒を飲む源蔵。
討ち入りを気取られないようにと今までは酒を飲み兄の所には金の無心に来て、いかにもだらしないように見せかけながらも、その実、主君への忠義と討ち入りへの執念を燃やしていた源蔵の内面が、にじみ出ている。

討ち入りと聞き、前の日の源蔵の本意を推し量りながらも、しかし違うかもしれない…と疑った兄が、討ち入りした中に源蔵がいたと聞いて喜ぶところ。
兄からの使者と聞いた源蔵が誇らしげに…しかしこの後切腹することを心に決めて形見を渡すところ。

講談をそれほどたくさん聞いているわけではないけれど、これが「武士」なのか…と何かこうストンと納得できる感じがした。

松鯉先生、すてきだなぁ…。