りつこの読書と落語メモ

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大江戸悪人物語2017-18 [ episode 4 ]


11/20(月)、日本橋社会教育会館で行われた「大江戸悪人物語2017-18 [ episode 4 ]」に行って来た。


・まん坊「平林」
・松之丞「慶安太平記より戸村丹三郎」
~仲入り~
・龍玉「真景累ケ淵よりお久殺し」

まん坊さん「平林」
喋りが安定していないのでちょっと聞きづらいのだが、ところどころすごく面白いところがあって、さすが萬橘師匠のお弟子さん。
「寿」を「姑」と読む小噺も面白かった。

松之丞さん「慶安太平記より戸村丹三郎」
まっちゃん祭りが終わって気が抜けているという松之丞さん。
やる気はあるけど力が出ない、というの、よくわかる。
テレビ番組のコメンテーターの打診もきているそうで、売れるってこういうことなのねー。むー。

今回は主人公正雪は出てきません。最後の方にちょこっとだけ名前が出るだけです。
そんなまくらから「戸村丹三郎」。

ある日、品川の遊郭の前で若い衆に声をかけられている浪人風の男・丹三郎。
この場面で若い衆が口をとがらせてちゅうちゅう音をたてるのだが、「これは客を呼び込むときのBGM」と松之丞さん。これはどうやって音を出すのですかと自分の師匠に聞くと、うちの師匠が至近距離で「ちゅうちゅうちゅう」とやって見せてくれました、に大笑い。あのコワモテの松鯉先生が…。ぶわははは。

「あがってくださいよ」と言われて「金がないからあがれない」と言うのを、若い衆が「あなたなんかは顔がいいから、上がれば花魁の方が金を払ってくれますよ」。
そう言われた男は「ならば」と上がり、言われるがままに酒や肴を注文し3日居続ける。
さて勘定をと言われた男。「それは花魁が払ってくれる」と言うので、若い衆が「まさかあの言葉を本気にしたのか」とびっくり。
騒ぎを聞きつけた店の主人が男の部屋を訪ねるのだが、本気で言われた言葉を信じていた率直さに心を打たれ「では知り合いの口入屋を紹介するからそこから奉公に出るか」と言うと「そうしてくれるとありがたい」と言う。

口入屋の主人も鷹揚な口のききように驚くものの率直な人柄が気に入り柳生宗矩の家で奴として働くことになる。
もともと武芸を極めたいと思っていた丹三郎にしたらまさに渡りに船。どうにかして宗矩に武芸の手ほどきを受けたいものだと思いながらも、下働きの身ではどうすることもできない。
そんなある日、宗矩が供の者を連れて浅草寺に出かけた折、酔っ払いの侍がからんできた。
家来の者が酔っ払いの相手をしないのに苛立った丹三郎はその侍を相手に大立ち回りをして退ける。
その後、宗矩に呼ばれ「大した腕前であった」と褒められた丹三郎は「褒美の金はいらないので自分と勝負をしてもらいたい」と言う。
それに対して宗矩は「お前は武芸はこれ以上は上達しないからあきらめろ」とにべもない。
どうしても納得できない丹三郎は宗矩に木刀で挑むのだが、あっという間に腕をとられひねられてしまう。
実力の差をまざまざと見せつけられた丹三郎。
それまでの憧れや愛はあっという間に憎しみに変わり、宗矩を倒したい、さらには宗矩がつかえている徳川家も倒したいと思うようになる。
そこにつけこんだのが幕府転覆を企て仲間を募っていた正雪。
かくして丹三郎は正雪の部隊に引き入れられるのである。

…うーん。面白い。
3か月に一回なので前の話を結構忘れちゃってるのだけれど、話し始める前に簡単にあらすじを話してくれるし、まぁとにかく毎回メリハリがあって面白いので、夢中になって聞いてしまう。
松之丞さん、前はとにかく押しが強い印象だったけど、最近はそうじゃなく静かに喋るなかにも凄みがにじみ出てきている。すごい。

 

龍玉師匠「真景累ケ淵よりお久殺し」
死んだ豊志賀の布団の下から「お前がこの先もらう女房7人まで呪い殺す」という書置きを見つけた新吉はぞーっとし、その書置きを持っていたくないので棺の中に忍ばせる。
墓参りもするが気味が悪いのであまり遅くならない時間に行くようにしていた。
ある日、墓参りに行くと、そこでお久とばったり会う。
お久は継母が「お前は新吉と割りない仲になっているのだろう」と自分を折檻するのでもう耐えられない。羽生村のおじさんのところへ移り住みたいが女一人ではどうすることもできない、と言う。
新吉は「ならば私も一緒に行こう」と言い、二人で駆け落ちすることに。

羽生村に着くともうあたりは真っ暗。雨が降り雷が光る不気味な夜。
もうすぐおじさんの家だから先を急ごうと新吉が言うのだが、お久は泥に足をとられずるずると落ちてしまう。
お久が「痛い」と言うので何事かと新吉が近づいてみると、草むらに置きっぱなしだった草刈の鎌がお久の足を切り裂き血を流している。
手拭いで傷を縛ってどうにか先へ進もうとするのだが、お久の様子がおかしい。
お前は今はこうやって駆け落ちしてくれたけど、また別の女に言い寄られたら私を棄てるのだろうなどと言いはじめ、そんなことはない、いやそうだ、などと言い争ううちにふと顔を見るとお久の眼の下にできものができそれが腫れ上がり豊志賀の顔に…。
新吉は恐怖のあまり、持っていた鎌でお久に向かっていきめった切りにしてしまう…。

これが豊志賀の呪いなのかと暗闇の中逃げる新吉はそこに潜んでいた男と鉢合わせをする。
男は雷が怖いと見えて草むらに隠れていたのだが、新吉に気が付くと襲い掛かってくる。
どうにか男を振り切って逃げる新吉はようやく一軒の人家を見つける。一晩泊めてくれないかと声をかけると中には爺さんが一人。
入れてくれるが泊めることはできないという。
というのはこの家は爺さんの家ではなく、この爺さんも雨をしのぐために入っただけだという。
この家の主は出かけていて留守なのだと。

そんな話をしていると一人の男が入ってくる。これがこの家の主。
爺さんは帰っていき、甚蔵と二人きりになる。
これが先ほど襲い掛かってきた男で名前を「土手の甚蔵」、江戸を追われてこの村に住みつき、博打をやったりする渡世人
お前も江戸を追われてきたのだったら、兄弟分にならないかと持ち掛けられ、渡りに船と受ける新吉。
甚蔵は新吉がお久を殺したと気づいていて金目当てで殺したのだったらその金を奪おうと思っていたのだが、新吉から事情を聞いて「じゃ金はないのか?」と驚く。
豊志賀の話を聞いて「えらいもんを背負い込んじまったな」と嫌な顔をするが、「まぁこれも因果か」と新吉を家に置くことにする。

…いやぁーこわいー。
でも甚蔵とのやりとりは落語らしいおかしさもあって笑ってしまう。
やっぱり緩急がないと聞いていてしんどいばかりだもんな。そういうところもうまいなぁ。

こうやって知らない噺を続きもので聞くのって楽しい~。