りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

桂宮治vs柳家小はぜ 負けてたまるか!?

10/17(火)、道楽亭で行われた「桂宮治vs柳家小はぜ 負けてたまるか!?」に行ってきた。


・小はぜ「浮世根問」
・宮治「江島屋騒動」
~仲入り~
・宮治「強情灸」
・小はぜ「提灯屋」

小はぜさん「浮世根問」
道楽亭に来るのは二回目、という小はぜさん。
一応スマホも持っているけどあんまりスマホの地図に頼りたくないので、電信柱に書いている住所を頼りに歩いて行って気が付いたら新宿6丁目まで行ってしまっていた。

今日は宮治兄さんとの会ということで…兄さんとは若手研精会で自分は前座として出させてもらっていてその時はいつも…どんなに厳しいお客さんでも兄さんが出ると必ずウケていたので、眩しいなぁ…という気持ちで見ていた。
舞台袖で出ていく兄さんを見ながら「やったれ!」と思っていた。
そんな兄さんとの二人会…。光栄です。
ですけど、私だってあの…例えばこの界隈(新宿2丁目)で、兄さんとあたしとどちらが好みかとアンケートをとったらあたしの方がもしかすると勝つかもしれないし…。
いや、負けるかもしれませんけど。

…ぶわはははは。
いつも以上に伏し目がちに逡巡している小はぜさん。緊張してますね?

私もこの会のことを知った時、「なぜその組み合わせ?!」と思ったし小はぜファンとしても「アウェイだろうなぁ」と思ったから、きっと小はぜさんもそういう気持ちがあったんだろうな。
でもなんかこう…勝負する気持ちが出ていて…でもそれがこう変な気負いとかそういうんじゃなく、実に小はぜさんらしくて、なんかいいなぁ、と思ったのだった。

そんなまくらから「浮世根問」。
くーーー、またそういう渋い噺を(笑)。

なんで?どうして?としつこい八つぁんにご隠居が徐々にめんどくさがっていくのが面白い。
なんかこの噺の中の八つぁんって本当に楽しそう。
そして前に赤坂で聞いた時と同じ、サゲ。これが言いたくてこの噺をしてるんだろうな、小はぜさん。いいな。


宮治さん「江島屋騒動」
テレビの収録の合間に落語会に出てまた収録に戻りその足で道楽亭にやってきたという宮治さん。
今日だけ限定で「売れてます」と言っていたけど、今日だけというわけじゃないのだろう。
この方の落語は正直かなり苦手な部類なのだが、電気を落としての「江島屋騒動」。
初めて聴く噺でかーなーり怖い怪談なんだけど面白かった。
この狭い空間で宮治さんの爆笑噺を聴くのはきつそうだなぁと思っていたのだけれど、一席がこの噺でよかった!

2席目のまくらで「雪が降って凍えてる…って言いながら(自分が)こんなに汗だくで…だめでしょ!」とおっしゃっていたけど、汗だくの熱演だった。


小はぜさん「提灯屋」
そしてトリの小はぜさんのネタが「提灯屋」。くー!渋い(笑)。
でもご本人「自分で自分のことを地味だとか渋いとは思ってますけど、人から言われるのはまた別で…」とおっしゃっていたから、あんまり渋い渋い言ったらよくないかな。
でも宮治さんとの二人会でのネタがこの二席って、いかにも小はぜさんらしくていいなぁと思ったのだった。

字が読めない若い衆が広告をもらってああでもないこうでもないと話している場面から、「書けない紋があったら提灯をただでもらえる」と聞いて、ヘンテコな紋の説明をしては提灯をもらって帰ってくるところ、次々若い衆が来てただで提灯を持って帰ってしまうので、すっかりひねくれちゃった提灯屋が隠居の言うありふれた紋を深読みしてムキーー!となるところ。
ことさらギャグを連発するわけじゃなく、でもなんかふふふっとおかしい。
楽しかった。