りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場10月上席夜の部

10/2(月)、池袋演芸場10月上席夜の部に行ってきた。

・一花「手紙無筆」
・一蔵「猫と金魚」
・さん助「胴斬り」
・にゃん子・金魚 漫才
・文菊「ちはやふる
・天どん「牛の子」
・ダーク広和 マジック
・一琴「真田小僧
・一朝「岸柳島
~仲入り~
・柳朝「鹿政談」
・歌武蔵 いつもの
・仙三郎社中 太神楽
・一之輔「寝床」


一蔵さん「猫と金魚」
なんか久しぶり。前に聞いたのとまったく同じまくら(子供の塾の面接)だったけど、落語二回目の友だちも大爆笑で私も笑った~。
「猫と金魚」も番頭さんが本当にわからなくてやってる感じでおかしかった。


さん助師匠「胴斬り」
まくらなしで入ったかと思ったら「あ、入り方間違えました」。
「前座さんが間違えるとこういうことに…」と言ってから「人のせいにしちゃいけませんね…」。

さん助師匠の「胴斬り」は何回も見てるけど、今日は会話が怪しくなったり相手のセリフを言っちゃったり、なんかちょっとやりづらそうだったなぁ。撮影のカメラが入ってたから(天どん師匠のDVD撮影だったみたい)動揺した?
でも面白かったから許す!(←上から目線)

文菊師匠「ちはやふる
まくらで「噺家っていうのはあんまり目鼻立ちが整ってない方がいいんですな。だから今出たさん助兄さんみたいの顔がいいんです。その点私の場合は、こういうふうに…整って生まれてきちゃったものですから、いろいろ苦労しております」。

…ぶわははは!文菊師匠ってこういうキャラだったっけ。おかしい~。

ちはやふる」、先生がもったいぶって喋るのが、文菊師匠の端正な話し方と相まってすごくおかしかった。


天どん師匠「牛の子」
今日はめったに聞けない噺をしますよ、と天どん師匠。
もったいつけるわけじゃないですけど、あんまり持ってる人のいない噺で、持ってる人でもまず今やらないから、ほんと珍しいですよ。
一応古典ですけど古典っぽくなくて情景が浮かびづらいからみんなやらないんですよ。
だからそのつもりで聞いてくださいよ。
なにえばってんだって話ですけど。

そんなまくらから「牛の子」。
これ、前に浅草演芸ホールで天どん師匠がやるのを見たことがある。

田舎暮らしを始めた与太郎のところに兄が訪ねてくる。
不自由はしてないかと兄が聞くと、田舎はいいよ、ここの家賃は大家さんがただにしてくれるし、魚もただでもらえるし、と与太郎
なんでただでもらえるかっていうと、そこらへんにいる虫を捕まえて、魚を捕ってる人の所に持って行くと「餌になる」と言って喜ばれ、釣った魚をお礼にもらえる。
肉もただでもらえる。これもそこらへんにいる虫を捕まえて持って行くと「餌になる」と喜ばれて、あとで「鶏を一羽しめたからあげる」と持ってきてくれる。
野菜も虫を捕まえてもらえる。
でも唯一もらえないのが、牛乳。牛は虫を食べないからね。
それを聞いて兄が「だったらこういえばいい」と悪知恵をさずける。

それは、死んだ母が牛になって夢に出てきた。母に会わせてくれと牛を飼ってる大家さんにところを訪ねて行って、乳を出しそうな牛を見つけて「おっかさん」と話しかけ、「じっくり話をしたいから二人にしてくれ」と頼んで、二人になったところで好きなだけ乳を搾って飲めばいい、と。

一番の見せ場は牛に顔をなめられるところと乳を搾るシーン。
牛になめられるしぐさをしながら、前の方のお客さんに近づいていく天どん師匠。
「一之輔を見ようと最前列に来るからこういう目にあうんだ」と毒を吐きながら…。
そして乳を搾るしぐさをしながらひっくり返って、これもんでステテコを見せつけて「このステテコ(黒地に牛柄)を見せたくてこの噺をしましたよ!」。

…わはははは。おかしい~。最高。
やっぱり私は天どん師匠はこういうバカバカしい噺が好きだな。


一朝師匠「岸柳島
最初から最後まで気持ちいい。
若侍のえばっている様子、初老の侍の落ち着いている様子、それを見てやいやいやってる若い衆のバカバカしさ。
船頭が若侍にキセルを落としたと言われて見せる反応が大好き。楽しい!

柳朝師匠「鹿政談」
雰囲気とか人は嫌いじゃないんだけど、落語に入るとものすごく「作った感じ」がしちゃうんだよなぁ…。せっかくきれいな噺家さんなのに喋り出すと片岡鶴太郎みたい…。


歌武蔵師匠 いつもの 
笑え笑え面白くなくても笑え2500円ぽっちで笑わせてもらえると思ったら大間違い、楽屋に祝儀を持ってこい包む紙がなかったらトイレットペーパーでもいいから。
これのなにが面白いのかぜんぜんわからないけど一部おやじには大ウケなんだな。狭い池袋演芸場でこれを見なきゃいけないのはかなりしんどい…。


一之輔師匠「寝床」
久しぶりにトリの一之輔師匠を見た。
すごいスピード感があってすすすっと流れるように展開するところと強めのギャグで押してくるところのバランスが絶妙。
思わず笑ってしまうようなギャグがちりばめられているけどそれもやりすぎないから邪魔にならないんだなぁ。

旦那の義太夫のひどさにミケが「シャー!」っていうのがおかしくておかしくて。
さらに番頭がなだめにかかるとそこでもミケが大活躍。
楽しかった~。
なにより安心して見ていられるのね、一之輔師匠の落語は。
だから落語に慣れてない友だちを誘うのにぴったり、なんだなー。