りつこの読書と落語メモ

はてなダイアリーからブログに移行しました。

末廣亭9月下席 三代目桂小南襲名披露興行

9/28(木)末廣亭9月下席 三代目桂小南襲名披露興行に行ってきた。

・うめ吉 俗曲
・南なん「辰巳の辻占」
小遊三「蛙茶番」
~仲入り~
・襲名披露口上(遊之介:司会、遊吉、金太郎、小南、南なん、歌春、小遊三
ボンボンブラザーズ 曲芸
・遊吉「粗忽の釘
・二楽 紙切り
・小南「しじみ売り」

南なん師匠「辰巳の辻占」
南なん師匠で初めて聞く噺!うれしい~。
おじさんが「どうも腑に落ちない」と首をひねるところから。
「おじさん、何が腑に落ちないんですか」
「その女が金を持ってこいって言ってるってところだよ」

花魁とは夫婦約束をしていてあたしにバカな惚れようだと言う半ちゃんに、「お前は女に惚れられる顔じゃない」とおじさん。
「女は顔に惚れるんじゃないんですよ。ここに惚れるんです」と胸の下あたりを叩くのをみておじさんが「え?胃?」「どこの女が、あの人は胃が丈夫だよ!って惚れるんですか」には大笑い。

浮かれて店に行って片づけの済んでない部屋に上がって辻占を見るけどどれもダメダメな内容で、そこに花魁のお玉が来たっていうんで、一生懸命ぼーーっとした顔をして見せる、その「ぼーーー」がどうしようもなくおまぬけで笑っちゃう。
またこのお玉が…半ちゃんに向かってものすごーくぞんざいなのがもうおかしくておかしくて。

もう生きてはいられないから死ぬという半ちゃんに「そうだね、じゃ」と、とっとと話を終わらせようとするお玉。
「お前、いつも俺が死んだら自分にはなんの楽しみもないって言ってるじゃねぇか」
「だって…楽しみなんて…いくらでも見つけられるもんだよ」

心中を迫られて「ああ、わかったよ。じゃちょっとやってこよう」っていう軽さがすごくおかしくて、川の場面もすごく軽くて短くてとんとんとーんと進んでいって、それがとっても楽しい。
とっても落語らしくて楽しかった~。


小遊三師匠「蛙芝居」
こうやって毎日のように出てきていつも違う噺をしてくれるからたまらないよなぁ、小遊三師匠って。
またこの「蛙芝居」がテンポがよくてとても楽しい。
定吉がこの状況をとっても楽しんでいるのが楽しいし、ミーちゃんの名前を聞いて食らいつく半ちゃんがとってもおかしい。
けつをまくって見せる小遊三師匠の嬉しそうなこと。
笑った~。


襲名披露口上(遊之介師匠:司会、遊吉師匠、金太郎師匠、小南師匠、南なん師匠、歌春師匠、小遊三師匠)

南なん師匠。「トースターを落としたのは私です。それで小南を継げなかったんです。」
初日に見た時よりどんどん短く簡潔になっている口上。南なん師匠は落語もそうだけど、どんどん削り落としていくタイプなんだな。
常套句(「それにはなによりお客様のお引き立て…」)の入らないふわふわっとした口上がとても南なん師匠らしくて好き。

歌春師匠。高座はいつもいつも同じ漫談で「はぁ…」なんだけど、口上がすごくよくて。小南治師匠がお父さんの先代正楽師匠に言われて小南師匠のもとで前座修行をしているうちに落語の方が面白くなって紙切りではなく落語家になりたいと言ってお父さんががっかりしたこと、だけど弟の二楽さんが跡を継いで、落語協会所属なのにこの後出てくれることなどを紹介。ちょっと見直した。(えらそうですびばせん)

小遊三師匠。先代の小南は爆笑王でした。その師匠が先代の金馬。とても厳しい師匠だったそうです。小南師匠が100席覚えた江戸落語を捨てて、上方落語をこちらでもわかりやすいようにいろいろアレンジして売れてきて本人も「これなら」とほっとしたころ、金馬師匠に言われたそうです。「お前の落語は、金クレ金クレ言ってるように聞こえる」。
そう言われて頭を抱えた。そんなふうなつもりはないのに師匠にはそう聞こえている。いったいどうしたらいいのか、と。
3代目小南もそんな師匠の名前を継いだからには、金クレではない落語を目指していくのでしょう。

…売れっ子なのにこうやって毎回口上に並んで、いつもいつも同じことじゃなく先代のエピソードとか入れて心のこもった口上。素敵。

 

 小南師匠「しじみ売り」
また初めて聴く噺。
雪の中しじみを売りに歩く子ども。吉原に遊びに行かせてもらえず家でくすぶっていた出来損ないの子分が、声をかけてきたしじみ売りにああだこうだと文句を言っていると、それを聞きつけた親分が子分をたしなめてしじみ売りを家に上げる。

しじみ売りの子の身の上話を聞きながら、しじみを全部買い上げてやったり、ご飯を食べさせてやる親分。
最初のうちは子どもをいたぶっていた子分も、子どもの話を聞いて思わず自分のなけなしの小遣いを差し出して…。


これも先代が得意にしていた噺なのかな。
笑いどころは少ないけど、独特の世界があって素敵だった。だんだん好きになってきた、小南師匠の落語。