りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭9月下席 三代目桂小南襲名披露興行

9/26(火)、末廣亭9月下席 三代目桂小南襲名披露興行に行ってきた。


・うめ吉 俗曲
・南なん「不動坊」
小遊三金明竹
~仲入り~
・襲名披露口上(遊之介:司会、遊吉、金太郎、小南、南なん、歌春、小遊三
ボンボンブラザーズ 曲芸
・遊吉「道灌」
・金太郎「大安売り」
・二楽 紙切り
・小南「鰻の幇間

南なん師匠「不動坊」
何回見てもこの噺をここまで短くできるのか!と驚く。それもちゃんと最初から最後までやって、だから。
おたきさんをお嫁さんにもらえると決まって浮かれる吉さんがかわいい。
お湯屋に行くのに鉄瓶を持って行きそうになったり、お湯につかりながらあれこれ妄想したり。
おたきさんをとられて面白くない男たちの会話もほんとに過不足がない。
すごいなぁ。南なん師匠って。
ほんとに一切無駄がないんだけど、別に何も足りないものがない。

それにしてもなぜか私が見に行くと「不動坊」の確率が高い気がする~。
「反対俥」で素早く動く南なん師匠を見たかったんだけどなぁ…。なかなか当たりそうにないな。

小遊三師匠「金明竹
好きだー。小遊三師匠の「金明竹」。
おかみさんが旦那に語るところが大好き。すごくふざけてておかしい~。
「透き通るようなバカ」のフレーズも好き。
楽しかった。

 

襲名披露口上(遊之介師匠:司会、遊吉師匠、金太郎師匠、小南師匠、南なん師匠、歌春師匠、小遊三師匠)
南なん師匠。金太郎師匠が、前座修行時代に南なん師匠が師匠宅でトースターを師匠の頭に落としてしまったことを話したのをうけて「トースターを落としたからあたし小南を継げなかったんです」。「師匠の遺言です。あいつにだけは小南を継がせるなって」。
初日に見た時より口上がすっきり。「小南を継ぐために(小南治師匠は)家の裏の畑を売りました。そのかわり、小南という畑を手に入れて…そこに種をまいて花が咲いて実がなって…。でもそう簡単にはいかないんです。虫に食われたり烏にやられたり畑荒らしが出たり」。
こうやって落語と同じように口上もどんどんそぎ落として過不足がなくなっていくのね。面白い~。


遊吉師匠「道灌」
ふわふわっと軽くて楽しくてスピード感に溢れる「道灌」。
平坦といえば平坦なんだけど、すごい好き。うきうきしてくる。

二楽先生 紙切り
うわーー二楽さんが芸協の寄席にー。
10年以上前に地元でタクシーに乗った時、タクシーの運転手さんに「ここには昔は正楽っていう紙切りの達人がいたんだけどねぇ。息子がいるって聞いたけど、そいつらは今はいったいどうしているのやら」。
そのタクシーの運ちゃんをここに連れてきて、今の二人の様子を見てもらいたい!
話しもおもしろくて切るものも動きがあってひねりがきいていて。かっこよかった!


小南師匠「鰻の幇間
店の二階によしおちゃんがいるっていうのは、権太楼師匠から教わったのかしらん。
この師匠の独特な語り口、こうやって見ているうちに徐々に慣れてきたぞ。

最後の最後にちょっと噛んでしまって「連日の打ち上げで飲みすぎてちょっとお疲れ気味なのよ…」って言ったのがおかしかった。
こういう咄嗟の瞬間の表情とかごまかし方(!)とかで好きになったり嫌いになったりするけど、小南師匠はとってもチャーミングで好きになったなー。