りつこの読書と落語メモ

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柳家小三治一門会

9/19(火)、大田区民ホール・アプリコで行われた小三治一門会に行ってきた。
会場に着くと「おわび」の張り紙があって、どきっ!
小三治師匠の体調がよくないので独演会を一門会に変更させていただきます、とのこと。
ほっ…中止じゃなくてよかった…。
 
・小八「元犬」
・〆治「そば清」
~仲入り~
・一琴「目薬」
小三治「転宅」
 
小八師匠「元犬」
ペットのまくらから「元犬」。
喋るスピードの速さにお客さん(年配者多め)が付いていけなかったような。
時間が短めだったのかな。ちょっとどたばたしていて、落ち着かなかったな。渋谷らくごでまくらなしで「らくだ」をやった小八師匠はどこへ(笑)。
 
〆治師匠「そば清」
「そば清」というとほとんど今はさん喬師匠の「ど~も」でやられる人が多いけど、違う感じだった。
でもなんか…暗いんだよなぁ。
あと、草の説明(仕込み)がなかったから、サゲでほとんどのお客さんがポカン…。
 
一琴師匠「目薬」
ようやく今日のお客さんにぴったりの噺だったのか、笑いが起きてほっ…。
わかりやすく面白かった。
亭主が目が悪くて仕事に出ないものだから芋ばかり食べてるおかみさん。
尻を出せと言われて「変な薬買ってきちゃった」と言いながら「おまんまが食いたいんだろ」と言われ「それを言われると弱いんだけどさぁ」とお尻を出すのがおかしい。
面白かった。
 
小三治師匠「転宅」
頸椎の手術後、初めての東京での落語会。
京都の病院で手術をした小三治師匠。そこのお医者さんが手術の次の日から「京都の町を歩いてきなさい」と言う。「どれぐらい歩けばいいですか」と聞くと「好きなだけ」。
そう言われたから、結構いろんなところを歩いたらしい。
「京都大原三千院」ね。あれ、永六輔が詩を書いてるから。
♪京都~大原三千院。恋に破れた女がひとり~♪
そういうからね、なんかこう広い原っぱみたいなところに、味のある寺があるんだろうなと思ったんですよ。
そうしたらすごい山道で。あるところまではタクシーで連れて行ってもらったんだけどその後は「ええ、ここをのぼるの?」みたいな険しい階段をぜいぜい言いながら上がってね。人もごちゃごちゃいてね。
恋に疲れた女が一人であんな階段登らないでしょう。ほんとにあの人は嘘つきだ。
庭にはきれいに木が生えていて、植木屋が何人かいて手入れをしていたんでね。
「植木屋さん、ご精が出ますね」って声をかけてみたんだけど、無視されました。洒シャレのわからない植木屋だね。

…そのあとにも鞍馬山に行った話、そこから昔修学旅行で行った時に鞍馬天狗の真似をして小枝を口にくわえて橋を渡っていったら、たまたま中学の時の同級生にばったり会ってしまった話、とらやの本店が京都でショックを受けた話から仙台の羊羹の話。
もう次から次へと話が止まらない。
まくらが止まらない時の小三治師匠は調子がいい証拠なので、ああ、よかった…師匠元気なんだな、と嬉しくなる。
それでも「実は結構危なかった」「手術室に入る時は、もしかするともう帰って来られないかもな、と思った」「高座も上がれないかと思った」というから、かなり悪かったんだろう。

止まらないまくらのあいだにふと「後で落語もやりますから」と言ったりして、おかしい~。
そんなながーいまくらから「転宅」。
まぬけな泥棒を手玉にとるお菊さん。私が座った席がちょうどお菊さんが泥棒に話しかける時の目線の先だったので、もうほんとにドキドキ。「お前さん、あたしと逃げておくれでないかい?」と言われて思わず「うん!うん!」とうなづいてしまった。
右手が自由に動かせないのか少しぎこちない動きになった時にお客さんの視線がそこに集まると、「大丈夫ですよ」とぽそっとつぶやく小三治師匠。
なんかいつも以上に小三治師匠を身近に感じた高座だった。

落語はもちろん素晴らしいけど、なによりも小三治師匠の感じ方、面白がり方が大好きなので、独演会でなくていいから、これからも高座にあがってほしい。ほんとにもうそれだけ。