酔って言いたい夜もある
★★★★
魚喃キリコ、栗田有起、石田千、長島有里枝と飲んで語った初の対談集。角田光代のランチ写真日記、女同士で行きたい居酒屋情報も収録。
読書不調の時は角田さんのエッセイに限ると手に取ったのだがこれは対談集だった。
それも普段は人見知り、でも飲んだら無敵の角田さんが飲みながら食べながらの対談。これが面白くないわけがない。
角田さんって意外と破天荒なところもあるけど全体的にはまじめで内向的でそのアンバランスが魅力だなぁ。
対談相手の作品へのリスペクトと相手への興味がしっかりとあるので、読んでいると対談相手の作品を読み(見)たくなる。
名言がいっぱいで何度も吹き出した。
角田:「なんとなく好意を見せられて、それならこっちもと腰を上げたとたんすっと引かれると交際期間がないぶん『もう死んじゃえ』ってくらい嫌いになったりする。
…ぶわははは!「それならこっちもと腰を上げたとたん」ってすごいよくわかる!
それですっと引かれて「もう死んじゃえ」って!角田さんってば!
栗田:「(略)角田さん、男は途切れたことがないんですよね。なんかいやらしい言い方ですけど(笑)。」
角田:「私は本当に困ったっていうときは誰でもいいからつきあうんでうしょ。誰でもいいから(笑)。」
栗田:「誰でもいいからっていうのは、妥協して誰でもいいってことなんですか?」:
角田:「はい。」
栗田:「『はい』って(笑)。」
角田:「1から100までの許容量があるとして、ひとにもよると思うんですけど、普通相手にするのが、30から90とか、20から80とかの間なんですよね。で、えっと20まで落とせる。」
栗田:「あはは(爆笑)。」
「誰でもいいから」って角田さんっ!
多分に「酔った勢い」もあるだろうし、結構前の本だから「若気の至り」もあるだろうけど、それにしてもど正直で面白いわー、角田さんって。ラブ。