りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

小んぶにだっこ

8/7(月)、落語協会で行われた「小んぶにだっこ」に行ってきた。
 
・小んぶ「(かっぱが思春期でひきこもる噺)」
・小んぶ「臆病源兵衛
~仲入り~
・小んぶ「船徳

小んぶさん「(かっぱが思春期でひきこもる噺)」
8/1にさん喬師匠のお誕生日のお祝いで一門がさん喬師匠のお宅に集まった時の話。
2週間ほどアメリカに行っていたさん喬師匠が、弟子のためにアメリカで流行っているアニメキャラクターのTシャツを大量に買ってきてくれて、弟子が香盤順に好きなものを取っていくというのがほほえましい。
あと喬太郎師匠のことを「あにさん」と呼ぶべきか「師匠」と呼ぶべきか…あまりにもビッグな兄弟子だとそんなことを悩んじゃうのか。でもそれを本人にぶつけてしまうっていうのがなんとも…。
 
それからこの会でいつも新作を作ってくる小んぶさん。
だいたい新作をやると微妙な空気になることが多く、そのあと仲入りをはさんで古典をやるんだけど、お客さんが新作と古典とのギャップについていけず、「理解してあげたいけど理解できない」という表情になっているのが見てとれるので、今回は新作を冒頭に申し上げてそれから古典をやろうと思います、と。
 
そして私は来られていないのだが、前回作ったかっぱの新作。
自分的にはできたときガッツポーズをするほどの手ごたえがあったんだけど、お客さんの反応は微妙。
そもそも自分はあんまり本を読んだりもしないし、どうやって新作って作ったらいいかもわかってない。
それで新作を作っているやなぎさんや天歌さんに聞いてみたのだが、やなぎさんからは「まずはプロットを考えて」と言われ「プロットってなんや…。もういい…。」となり、天歌さんからは「SFはやめたほうがいい。SFっていうのは実在しない生き物とかそういうの」と言われ、じゃかっぱはだめ?だめってこと?といきなり否定された気分。
でもですね、私にとってはかっぱっていうのは想像上の生き物というよりは人間…社会性とかそういうのがない人間っていう存在なので、SFじゃないですよ。ね?
 
…ぶわははは。
面白いなぁ、小んぶさん。ほんとにこのつかみどころのなさがたまらないわー。
そしてこの会を始めたばかりのころはまくらで自分のことを話すのもおっかなびっくりっぽかったけど、ずいぶん心を許してくれるようになったな感があって、うれしい。
 
そんな長いまくらから、思春期のかっぱの噺。
このかっぱ、お皿が小さいことを学校でからかわれいじめにあってひきこもってしまっているらしい。
どうやらこの子どものかっぱが一家の稼ぎ頭らしく、母かっぱがひきこもった子が部屋から出てくるように知恵を絞る…
 
ぷぷぷ。なんですかね、これ。
小んぶさんの新作って、ほんとに新作のセオリーとかそういうの一切なくて、確かにビミョーかもしれないけど、その分変な「新作臭」が全くなくて、私は好きだな。
作った新作はここ以外ではやりません、と言い切っていた小んぶさんだけど、ちょっとほかのところでもやってみたら?
 
小んぶさん「臆病源兵衛
おお、なんかこの間聞いたさん助師匠の「臆病源兵衛と出どころは同じような感じ。
からだの大きな小んぶさんが怖い怖いと身を縮めながら時折奇声を発するのがばかばかしい。
くまさんの策略で台所に酒を探しに行った源兵衛が手探りで酒を探して、とっくりと間違えてこけしをつかむ、っていうの…小んぶさんオリジナル?
なんかその図を想像するとばかばかしくて笑ってしまう。
楽しかった!この噺、あんまり寄席でもかからないけど、結構好きだな。

小んぶさん「船徳
ちょっと時間を気にしつつ?ばたばたしてた感じはあったんだけど、小んぶさんって意外となよっとした若旦那が似合ってる。相当わがままなことを言ってもかわいさがあるから見ていて楽しい。
あとお客が途中からまったく逆らわなくなるのが、小んぶさんらしくて楽しい。
これからもっともっと面白くなりそう。