りつこの読書と落語メモ

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第4回・夏丸谷中慕情

8/5(土)、Chi_zu2号店で行われた第4回・夏丸谷中慕情に行ってきた。

 

・夏丸「いが栗」
~仲入り~
・夏丸「太閤の猿」


夏丸さん「いが栗」
昔、田舎の家に行くと、天井の隙間や鴨居の上にいが栗を置いてあることがあった。これはいが栗を置くことでねずみが入れないようにするという生活の知恵。
そんなまくらから「いが栗」。

初めて聴く噺。
江戸から来た旅人が山道で迷ってしまった。わらじもほどけてきて途方にくれていると、荒れ果てた辻堂を見つける。ここで一息ついてわらじを結びなおそうと近づいて行くと、そこには異様な風体の坊主がいた。
ぼろぼろの着物をまとい、頭はいが栗頭、顔中髭だらけの坊主がなにやら一心不乱に呪文を唱えている。
道を尋ねるが答えてもらえず、その異様な姿に身の毛がよだち、そのまま辻堂を後にする。
しばらく歩いていると一軒のあばら家を見つけ、そこのばあさまに声をかけて「一晩泊めてくれ」と頼むのだが「助けてやりたいが家には病で寝ている娘がいる。この娘の姿を見て恐ろしいと言いふらされては困るから泊めることはできない」と言う。
そんなことは決して言いふらさないし、泊めてもらえたら私も娘の看病をするからと頼むと「困っているようだからそれなら泊まりなさい」と泊めてもらえることになる。
囲炉裏端に眠っている娘の姿を見るとそれはそれは美しい娘。

ひえの雑炊を食べて合羽を着こんで眠りにつくのだが、夜中娘がうなされている声で目が覚める。
何事かと障子の隙間からのぞいてみると、娘の枕元にあの不気味な坊主がいて耳元で何か唱えたりさすったりしている。
夜が明けると旅人は「娘さんは病気なわけじゃなく、とりつかれているようだ。もしかすると助けてあげられるかもしれない」と言い、辻堂にいる坊主のもとを訪ねていき…。


民話のような不思議な話なんだけど、田舎のばあさまがいいキャラクターで笑えるところもあるし、夏丸さんの淡々としていてでもなんともいえずひょうきんな語り口がこの噺にぴったりで、もう夢中になって聞き入っていた。

いやぁ、おもしろい~。こういう珍しい噺を持ってるってすごい強味だよなぁ。すばらしい。


夏丸さん「太閤の猿」
東雲節の歌を歌って、その謂れを説明したあとに、実はこの原点は秀吉公にある。
落語というのはほとんどがなーんの役にも立たない噺ばかりだけれど、その中にほんのわずかだけだけどためになる噺があって、これはその数少ない噺。メモをしながら聞くように、と言いながら「太閤の猿」。

これも初めて聞いた噺。
猿に似ていると揶揄されることが多かった秀吉は、自分によく似た猿を探させてそれをとてもかわいがっていた。
自分と同じ格好をさせて自分と同じものを食べさせて…。
秀吉を訪ねてくる客があると秀吉は猿に「行け!」と合図をし、すると猿はその客人の首筋のところを突く。
客は「なにをする!」と怒りたいところなのだが、秀吉がかわいがっている猿なので何も言うことができない。
この噂を聞きつけた独眼竜正宗は、自分にはそんな無礼を働かせてなるものかと、猿のもとを訪れて…。


これもまたまじめなような壮大なほら話のようなばかばかしい噺。これがまた夏丸さんにぴったりでおかしいおかしい。
途中で猿が関西弁で話しだしたので「なんじゃ?!」と思ったんだけど、これはもともと上方の噺なんだね。

 

お約束の歌&撮影タイムもあり。
この日は夏丸さんの誕生日をお祝いしよう!ということで打ち上げにも参加させていただき、とても楽しかった。

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