りつこの読書と落語メモ

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夜の夢見の川 (12の奇妙な物語)

 

★★★★★

その異様な読後感から“奇妙な味”と呼ばれる、ジャンルを越境した不可思議な小説形式。本書には当代随一のアンソロジストが選んだ本邦初訳作5篇を含む12篇を収めた。死んだ母親からの晩餐の誘いに応じた兄妹の葛藤を描くファンタスティックな逸品「終わりの始まり」。美しい二頭の犬につきまとわれる孤独な主婦の不安と恐怖を綴った「銀の猟犬」など、多彩な味をご賞味あれ。

「12の奇妙な物語」と副題にあるように、日常の中に紛れ込む悪夢のような出来事や読み終わってなんかもやもやが残るよな作品を集めたアンソロジー。
スタージョンチェスタトン以外は知らない作家だったのでとっても得した気分。

「麻酔」
恐怖としかいいようがない歯医者体験。
あまりの事態に笑うしかないんだけど、笑いながらもいつの日かこんなことを体験することがあるかもしれない、とうっすら怖い。


「お待ち」
身動きできない恐怖がじわじわくる。
出て行けそうでいて気が付いた時にはもう絶対に身動きがとれなくなっている恐怖。
抵抗すればするほど無理だということに気づき、「もういいや…」と無力化していくのが怖い。

 

「銀の猟犬」
これもこわい。決して離れぬ犬も怖いけれど、家族と…夫とここまで分かり合えないのがこわい。

 

「夜の夢見の川」
これが一番好きだな。
どこまでが現実でどこからが幻想なのか。そもそもその境目に意味があるのか。
結局は自分が「見たもの」が全てなのだから。