りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

鈴本演芸場7月下席夜の部

7/24(月)鈴本演芸場7月下席夜の部
 
・ダーク広和 マジック
・さん助「尼寺の怪」
・菊志ん「辰巳の辻占」
・あずみ 三味線漫談
・百栄「猫と金魚」
・さん喬「天狗裁き
~仲入り~
・楽一 紙切り
・一朝「蛙茶番」
・左龍「厩火事
 
さん助師匠「尼寺の怪」
わー!初めて聞く噺!うれしい~!
若い衆が集まって「暑いからなんか噺でもして涼しくなろうじゃないか」ということになり、百噺をすることに。
100本ろうそくを立てて一人ずつ怖い話をして1本ずつ吹き消していく。
怖い話をできなかった者が全員分のそばの割り前を払うということに。
 
「お前怖い話なんかできるのか」と聞かれたくまさん、「俺、怖い話は得意中の得意!」とえばったものの、怖い話なんか何も持ってない。
どうしようと考えて、そうだ、和尚なら怖い話の一つや二つ持っているだろうと寺を訪ねる。
 
「何か怖い話を」と言われた和尚が「ああ、あれは私が若い時分、托鉢をしていたときのこと」と話し始める。
「爆発?」
「爆発じゃない、托鉢」
そんなやりとりをしながら、歩いていても人家が一軒もなく野宿になるかと思っていると尼寺を見つけ、一晩泊めてくれと頼むのだが、男子禁制なので本堂にだったら泊まっていただいてもいい、と言われる。
本堂で構いませんと泊めてもらうと、真っ暗な中本堂で木魚を叩く音が。
こんな真っ暗な中でおつとめとは…ああ、自分が寝ているから気を使ってくれて灯りもともさずにいてくれているのだな、とありがたく思って朝になって尼さんにそういうと「いいえ、私ではございません」と。
ええ?それじゃそれはだれが…?というと…。
 
「それ怖いですかね?」と全くピンときてないくまさんなのだが、「ああ、私は今でも思い出すとぞっとする」と和尚に言われて「じゃ、これをやってやろう!」といさんで出かけていって、話をするんだけど、これがもうめちゃくちゃ。
 
とにかくくまさんの話がめちゃくちゃで全然怖くなくてばかばかしいんだけど、はっ!これは百栄師匠の「怪談話し下手」?!
いや、こっちが先でそれをもとにあの新作を作ったのか?!おおっ!
 
いやしかしこういう渋い噺を持ってるところがいいなぁ、さん助師匠は。
またくまさんの話がうやむやでこんがらがっていくところが、さん助師匠と重なって楽しかった!
 
百栄師匠「猫と金魚」
わーい、この代演はうれしいなぁ!
いつものまくらから「猫と金魚」。
たいてい新作をやられる噺家さんだと新作じゃないとがっかりしちゃうんだけど、百栄師匠は古典もめちゃくちゃ面白い!
しかも百栄師匠で「猫と金魚」は聞いたことがなかったから、ラッキー!
 
番頭さんが最初からなんか面白い。ふにゃふにゃしていてとらえどころがなくて。
そして時々思わず吹き出してしまうようなクスグリが入っててたまらない。
旦那が「私は金魚を愛でているんだ」と言うと番頭が「え?」。
「だから金魚を愛でているんだ。愛でる金魚なんだ」
「え?」
「愛でる金魚なんだよ」
「じゃ悲しい熱帯魚はどうしてくれるんです?」
 
…ぶわははは!最高。
 
さん喬師匠「天狗裁き
さん喬師匠の「天狗裁き」はもう何回も見ているけれど、いつ見ても笑ってしまう。
そしてこの日はほんとになんかノリノリでおかしかったなぁ。
「うまい」っていうことが好きになるポイントっていう人がいて私にはあんまりよくわからないんだけど、でも確かにうまいなぁ…とつくづく思った。細かいところが全て行き届いていて、でもそれがすごくさりげなくて…。すごい。
 
一朝師匠「蛙茶番」
一朝師匠の「蛙茶番」も何回も見ているけど、わかっていてもいつも笑ってしまう。
結構刈り込んでスピーディだったので、いつも以上にテンポが良くて、聞いていて気持ちいい。
ほんとにリズム感がいいんだなぁ、この師匠は。
かといって全部が「落語」だから、上滑りしないっていうか。楽しい。
 
左龍師匠「厩火事
おさきさんの顔芸が激しくてうるさい(笑)。これじゃ喧嘩になるわなぁ。
その分遊び人の旦那がかっこよかった。