りつこの読書と落語メモ

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百年の散歩

 

百年の散歩

百年の散歩

 

わたしは今日もあの人を待っている、ベルリンの通りを歩きながら。都市は官能の遊園地、革命の練習台、孤独を食べるレストラン、言葉の作業場。世界中から人々が集まるベルリンの街を歩くと、経済の運河に流され、さまよい生きる人たちの物語が、かつて戦火に焼かれ国境に分断された土地の記憶が立ち上がる。「カント通り」「カール・マルクス通り」他、実在する10の通りからなる連作長編。

★★★★

ベルリンの街を「あの人」を待ちながら歩く。詩人の亡霊と対話をしたり目に留まる人や物に思いを巡らせ、不穏な歴史や未来を目にしながら…。

なんとなくゼーバルトの「アウステルリッツ」を思い出した。

多和田さんらしい言葉遊びも多く、時々ぷっと笑いたくなるんだけど、でも私ぐらいの知識では理解できなかったりおもしろさが分からなかったりするところも多く、読み終わるまで時間がかかってしまった。

最後の方まで読むと私が待っている「あの人」が誰かがわかり、わからないで読んでいた時よりももっと寂しくなった。