りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

吉笑と時間 或いは空間も

6/9(金)、連雀亭で行われた「吉笑と時間 或いは空間も」に行ってきた。


・笑ん「道具屋」
・吉笑「八五郎方向転換」
・吉笑「手動販売機」
~仲入り~
・吉笑「子ほめ」
・吉笑「走馬灯」

笑んさん「道具屋」
初めて見た笑んさん。爽やかハンサム!笑坊さんの弟弟子だったからああいう感じ(笑)かと思っていたのでびっくり。
聞きやすい「道具屋」だったんだけどところどころに立川流らしい?クスグリが入るのがちょっと意外性があって面白かった。


吉笑さん「八五郎方向転換」
書いちゃいけないぶっちゃけのまくら(笑)。
吉笑さんって頭がいいし野心家っぽいけど、でもうこうやって手の内を見せてしまうところとナイーブなところがあってそこが好きだな。


「八五郎方向転換」、初めて聞いた噺。
スリにあったみたいで懐から財布がなくなった!と気づいた八五郎が、スリを追いかけようとするんだけど、その前にゲタが新しいからこれを履いて追いかけると足指の股が痛くなってその状態で風呂に入るとすごく沁みていたたってなって、でもそれを見た友だちが「江戸っ子のくせにこれぐらいの熱さで入れねぇのか」って馬鹿にされるだろうから…とか次々頭に浮かんではそれを回避するにはどうしようかと逡巡する。

すごい吉笑さんらしい噺だなぁと思ったら、ご本人も自分はこういう何秒間の出来事がすごく長く感じられたり、逆に長い時間なのにすごく早く感じたり…そういうのが大好き、とおっしゃっていた。


吉笑さん「子ほめ」
あら、吉笑さんが「子ほめ」!しかもあんまり変えずに真っ当にやったのでちょっとびっくり。途中でセリフが少し飛んだりして本人もぎょっとしていたけど、それがまた面白かった。

 

吉笑さん「走馬灯」
これも初めて聴く噺。
朝、奥さんと喧嘩をしてコンビニにパンを買いに行くはめになった男。
朝だから車も来ないだろうと赤信号を渡ったところで意識が途切れ…。

幼稚園の入園式の日、「いやや、靴履かへん。」と言う子どもに「だめ、履きなさい」とお母さん。次の日も「いやや、靴履かへん。」。なんかこのあたりの繰り返しがたまらなくおかしいんだよなぁ。

これも吉笑さんらしい、時間の長短を楽しむ噺。うーん、やっぱり吉笑さんの新作って面白いなー。

まくらたっぷりで一人で4席。ほんとに吉笑さんのサービス精神とバイタリティはすごいな。