冬の日誌
★★★★
いま語れ、手遅れにならないうちに。幼時の大けが、性の目覚め。パリでの貧乏暮らし。暮らしてきた家々。妻との出会い。母の死―。「人生の冬」を迎えた作家の、肉体と感覚をめぐる回想録。
自伝ではあるけれど自分にたいして「君」と呼びかけることで、私的な出来事をできる限り客観的に俯瞰して見つめようとしてるように感じた。
とても正直でデリケートでエモーショナルな人なんだなぁ…。
身体や怪我や住んだ家などの切り口から自分の人生の歩みを見直そうとしたり自分にとって決定的だった出来事を取り出していったり…なかには思い出すことも辛いようなこともあっただろうに驚くほど赤裸々に描かれていて驚いた。
とても面白かった。