グローバライズ
★★★
生まれてくる時代を敢えて間違えた、すべての人たちへ。プロの書き手も熱狂する、孤高の作家、初の短篇集!
相変わらず頭おかしいなぁ。
目も当てられないくらい酷い!と読み飛ばしかけて、いやちょっと待てよとまたページを戻って読んでみたり、あれ?フツウに終わっちゃった?と肩透かしを食らったり、出た!ジェローム!と笑ったり。
笑ったと言えば「道」に出てくるクソ坊主の中国語?よくこういうの思い付くよなぁ。もう読んでておかしくておかしくて。
なんだかよくわからないけどたががはずれたグローバルな世界がここに。
でも身体をムキムキに鍛えた中年が、戦争反対の若者のメガホンを取り上げて、気が狂っているような自分のマッチョな体験を至近距離でがなり立てたり、フツウのOB訪問にいきなり惨殺死体の写真が紛れ込んできたり…なんとなく今の世界と重なるような描写もあって、どきっとする。
アメリカの今の大統領や日本の首相ってこの小説に通じるグロテスクさがあるよな…。