りつこの読書と落語メモ

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ブロディ先生の青春

 

ブロディ先生の青春

ブロディ先生の青春

 

 ★★★★

ジーン・ブロディ先生は誇り高く、ロマンティックで生徒たちの憧れの的。授業は型破りで、校長とは反りが合わない。先生のお気に入り「ブロディ隊」も学院中から特別な目で見られた。ブロディ先生は二人の男性教師と親しく、多感な年頃のブロディ隊は、先生の恋と性に興味津々、想像を逞しくする。ブロディ隊であることは誇りであり、みな先生を崇拝していた。だが、先生の指導は次第にエスカレートし…。20世紀最高の青春小説、待望の新訳決定版!  

いったん中断していてようやく読了。

なんて意地の悪い話なんだろう。
思春期の女の子たちの熱狂と感じやすさがひりひりと痛い。

愛が憎しみに変わり、崇拝が軽蔑に変わる瞬間がとてもリアルでとても辛い。
美しくて理想に燃えていてキラキラ輝いていたブロディ先生。しかしその中身はエゴイスティックで空虚で寂しい。だからこそ自分より幼い生徒たちを支配し常に自分を賛美し続けるように仕向けたのだろう。

ブロディ先生は自分の崇拝者であるブロディ隊を手放すことができず、長く一緒に居すぎてしまったのだ。それは彼女自身の孤独がそうさせたんじゃないかと読んでる私は同情的になるのだが、作者スパークはそういう「悪」を決して許してはくれない。そんな後味。