りつこの読書と落語メモ

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大江戸悪人物語2017-18 episode 2

5/24(水)、日本橋公会堂で行われた「大江戸悪人物語2017-18 episode 2」に行ってきた。

・みのり「熱湯風呂」
・松之丞「慶安太平記ー楠木不伝闇討ち」

〜仲入り〜
・龍玉「真景累ヶ淵ー深見新五郎」
 
みのりさん「熱湯風呂」
久しぶりに見たけどうまくなってるし、とっても面白い!
前は何か「大丈夫か、この子」と思ったけど、ちゃんと緩急もつけられるようになってるし、間がよくなってるから安心して聞いていられるし笑える。
鯉栄先生に似てきた?
 
松之丞さん「慶安太平記ー楠木不伝闇討ち」
みのりさんのことを「面白いね」と珍しく?褒める松之丞さん。
講談ファンの人の中には気に入らない人もいるかもしれないですけど、いいじゃないですか、面白くて。自分が講談を客で見に行ってた頃、ああいう面白い講談ってきいたことがない。うまい人や名人は見たけど、面白いってなかった。
だからいいんじゃないですか。って無責任だから言うんですけど。
 
今回やるのが少し短めということでまくらたっぷりに、前回のあらすじもたっぷり。
紀州の城を出た正雪が今度は昔世話になった軍学者楠不伝と再会し、その道場で「若先生」と呼ばれるほどになる。
見た目も麗しく教え方もうまい正雪はたちまち人気者に。
世話になった不伝を殺してその娘を愛人にしようと企んだ正雪が娘といい仲だった村上をそそのかして不伝を殺させ道場を乗っ取るところまで。

さん助師匠のやってる「西海屋騒動」もそうだけど、ほんとにこの悪人というやつは、人の親切に付け込んで簡単にまわりの人をだましたり殺したりするんだよなぁ…。
「生まれついての悪性で」っていう決まり文句があるけれど、でも今のようになんでもかんでも原因を探って、親とか育ちのせいにするより、ましかもしれない。そういうこともあるよな、って…。
 
全体の8割ぐらいわりと淡々としずかにやって、ここぞというところで、がーーーっとたたみかける。うーん、かっこええ…。
村上をそそのかして嘘八百(これがまたいやらしい嘘なんだ)を並べるところ、多分聞いてる私も「悪い顔」になってた気がする。
 
龍玉師匠「真景累ヶ淵ー深見新五郎」
まくらなしで噺へ。深見新左衛門の長男、新五郎。父親の悪行に嫌気がさして家を出ていたのだが久しぶりに戻ってみると、父親が乱心し母を殺し隣の家へ暴れ込み殺されたことを知る。
なんという恥辱だ、これではもう自分に武士として出世する道はないと思い、死のうとしているところを、親切な小間物屋の旦那に助けられる。
店で働き始めた新五郎はまじめで評判もよかったのだが、同じ店子のお園に夢中になる。実はこのお園は新左衛門が殺した宗悦の娘。もちろんお互いにそんなことは知らないのだが、お園の方は何か感じるところがあったのか新五郎のことを嫌っている。
ある時お園が病に倒れると、それを献身的に看病した新五郎。その甲斐があってお園は全快する。
飲めない酒を飲んで酔っ払った新五郎、二人きりでいるのをあまりにお園が嫌がるので意固地になり「一晩だけでいいから同じ布団で寝てくれ」と頼み込む。
…この頼み込むところがね…龍玉師匠のあの淡々とした口調で、でも何度も何度も執拗に同じことを言うところが、かわいそうなような…でもちょっと怖いようなぞっとするような…ぞわぞわぞわ~。わーーなんだこれー。
そしてついにお園が折れて一緒の布団に入るんだけど、お園はもう嫌いでしょうがないから体を固くして背中を向けるんだよね。そうすると新五郎はそれが切ないやら腹立たしいやら居心地が悪いやら…なんだけど、これもなんかリアルというか…ぞわぞわぞわ…。
で、一回だけお願い言ってたけど、一回一緒のお布団に入ったらもうそれが忘れられなくて…あと一回…と迫る新五郎。
結局無理やり押し倒したその藁の下に刃物があってお園は死んでしまう。
新五郎はとてもここにはいられないと店の金を懐に入れ江戸を出て地方に行き武芸を磨き、そろそろほとぼりが冷めたかと江戸に戻り、昔世話をしたことがある家を訪ねるのだが、そこでだまし討ちに遭い、ついにはお縄になる。

まただよ、またこいつも、助けてもらったのに人殺ししてお金盗むんだよ。
ほんとにあれだ、下手な親切心を起こしちゃいけないんだ。むーん。
いやしかし…松之丞さんがまくらでいってたけど「死刑囚が落語をやってる」感…あるなぁ。
なんかでもほんとに龍玉師匠がこざっぱりしてるから、陰惨な噺だったり濡れ場があっても、不潔感がないんだな。

いやぁ、面白い。この会、ちゃんと毎回通って見届けたい。