りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

月刊少年ワサビ 第97号

4/28(金)、らくごカフェで行われた「月刊少年ワサビ 第97号」に行ってきた。


・わさび「道灌」
・わさび「メイドのクイズ」(神対応ミケランジェロ、敗者復活戦)
~仲入り~
・わさび「転宅」


わさびさん「道灌」
この見た目のせいかよく人に軽く見られるというわさびさん。「苦労知らずでしょう」と言われることも多いし、後輩にもなめられている。
木りんさんという後輩がいるんですけど、背が2mあって顔もハンサムで能年ちゃんに似てる。
この間楽屋で一緒になったら「兄さん、BS笑点出てますよね。すごいですね」と言われたので謙遜の気持ちで「あー運がよかったんだよ」と答えたら「そうっすね。あにさんってほんとに運がいいですね」。
え?なに?その言い方?いやでも別に嫌味な気持ちで言ってるわけじゃないのか、と思っていると「ほんとに運がいいですね。運だけは」とダメ押し。

あと協会ちがいますけど宮治さん。この人は年季は結構下なんですけどなにせNHKの新人演芸大賞取ってますから、いつもあからさまになめてるなぁって態度なんです。
この間もとある会で一緒になって、私は前方で彼はトリ。出番が終わった私に「今日はどんなお客さんですか」と聞いてきた。あら珍しやと思い「よく笑って下さるお客様だよ。どちらかというとわかりやすい噺の方がうけるかんじ」と答えると「初天神にするか蒟蒻問答にするか迷ってるんですよ」と言ったあとに、「うーん…でもあれだな、初天神は…蒟蒻問答は…うーん」と自分の世界に入ってしまった。
言ったタイミングも悪かったんだと思いますけどそこで私が「蒟蒻問答より初天神の方が…」と言ったら、宮治さんが「はぁ~?!」。
はぁ?ですよ。心底バカにしたような顔つきで。ほんとにもう…。

…ぶわははは。
わさびさんがそういう態度をとられるってすごくよくわかるなー。見るからに気弱そうだからなー。でもわさびさんって実はすごくスペックが高くて、ああいう大喜利でも抜群にセンスがいいし、気遣いもすごくできるし、一本筋が通ってるんだよね。
なめちゃいけない。

そんなまくらから「道灌」。
特に何か大幅に変えたりはしてないオーソドックスな「道灌」で、なぜ今道灌?とちょっと思いながらも、柳家らしい道灌であった。


わさびさん「メイドのクイズ」(神対応ミケランジェロ、敗者復活戦)
毎月三題噺を作ってくるっていうのをずっと続けているのもすごいし、それが毎回ちゃんと「聞ける」レベルのものになっているっていうのもすごい。
メイドカフェメイドさん。いつも激しくダメ出ししてくるお客さんにへこみがち。
あの人は開店当初から来ていて、歴代のメイドさんのいいところだけ(マイさんの美貌、エリちゃんのアニメ声、シズさん(60歳)の大人の対応)抽出した理想のメイド像が頭の中で出来上がってしまっているから、それと比べるとどうしても文句が出てしまうんだよ、と店長。
そうだ。彼が答えられないようなクイズを出してヘコませればプライドが高いから来なくなるかもしれない。
と考えて、ミケランジェロのクイズをつくって…。

最初の客は初めてで素直、二人目はオタクで変な感じ、三人目がその問題のダメ出しする常連。この造詣がすばらしい(笑)。特にオタクの変な感じがすごくリアルでおかしかった!


わさびさん「転宅」
ネタ卸しとは思えない完成度。
泥棒が色仕掛けされたとたんにかっこつけだすのがたまらなくおかしいし、お菊さんはちゃんと色っぽい。
そこかしこにわさびさんっぽさがちりばめられていて感動。