りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

圓馬社会人倶楽部

4/21(金)、お江戸日本橋亭で行われた「圓馬社会人倶楽部」に行ってきた。
寄席で見てすごく好きになった圓馬師匠の会。芸協はこういう若手真打の会をやっているのが羨ましい。開演時間が早いのがちょっと辛いけど…と言いながら圓馬師匠を二席見たかったのでそ~っと会社を抜け出して行って間に合った!


・双葉「街角のあの娘」
・圓馬「花見の仇討」
・松鯉「名人小団治
~仲入り~
・柳太郎「片棒」
・コント青年団 コント
・圓馬「佐々木政談」


双葉さん「街角のあの娘」
初めて見た双葉さん。この噺は私がかなり苦手なあの師匠の新作ですね…。噺のせいもあるかもしれないけど、苦手かも…。

圓馬師匠「花見の仇討」
協会主催の若手の会ということで…私もまだ「若手」なんですね。まだ「若手」なのかぁって…ちょっと複雑なものがありますけど。
それでも多分この会に出られるのもあと2年ぐらい。あとがつかえてますんで。

前にあがった双葉さんの新作を「私あの噺はいろんな演者で数十回は見てるんですけど…何回見ても途中でなんかわからなくなっちゃうんです。今日も袖で見てたんですけど、やっぱりわからなかった。」

…わははは。
そんなまくらから「花見の仇討」。
最初から最後までテンポがよくてとても楽しい。
待ち合わせ場所に向かう仇を探す役の二人が、松坂屋の角を曲がってABABを通り過ぎてマクドナルドのあたりで侍に出会うというのがおかしい。

聴いているともうこの師匠すごく好きだーと思うんだけど、どこが好きなのかがとても説明しづらい。
例えば南なん師匠だったらあの独特の空気感、話し方、声、表情…とても特徴があるし、例えばさん助師匠もあの内側からぴかーっと輝く明るさとかその一方でひねくれてて暗いところとか…説明ができるんだけど、圓馬師匠のどこに魅力を感じているかというの…どこってまだ自分でもはっきり言えないんだな。

なんだろう。テンポのよさ、押しが強いわけではないけれどメリハリがあるところ、独特の味わいっていうかなんかこうキラっと光る魅力があって、そこに惹きつけられる。あーうまく説明できない!


松鯉先生「名人小団治
最初、中村仲蔵?と思って聞いていたんだけど、あれ?違う?初めて聴く話。
引き上げられたのにチャンスを生かせず破門されてしまった若い役者。自暴自棄になりかけたところを座長になだめられ、自分を破門にした役者の草履を懐に入れて消えてしまう。
それから20年がたち、二人が再会する。上方を後にした若い役者は江戸で小団治と名乗り名人と呼ばれるようになっていた。

これがもうとてもよくて…胸を打たれて泣いてしまった。
いいなぁ。松鯉先生。

柳太郎師匠「片棒」
新作のイメージが強い師匠なので「片棒」はちょっと意外。
ところどころ強烈なギャグが入っていておかしかった~。


圓馬師匠「佐々木政談」
今まで何回も聞いている噺だけれど、当時奉行所で賄賂が横行し佐々木信濃守はこの悪しき風習をどうにかして断ち切りたいと思いながらも表立って注意をするわけにもいかず何かいい手はないかと思っていた、という前置きがあったのは初めてで、それゆえにこの生意気で頭のいい子をわざわざ奉行所に呼んで話をさせたのか!というのがわかって驚いた。
いままでこの噺って育ちは悪いけれど頭が良くて度胸もある子供の出世物語、としか思っていなかったよ。

面白かった~。なんかこの噺の見方が変わった。