りつこの読書と落語メモ

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末廣亭4月上席夜の部 柳家小八・真打昇進襲名披露興行

4/4(火)、末廣亭4月上席夜の部 柳家小八・真打昇進襲名披露興行に行ってきた。
 
・カンジヤマ・マイム パントマイム
・東三楼「子ほめ」
・三三「道具屋」
・ペー 漫談
喬太郎「華やかな憂鬱」
・一朝「やかん泥」
・正楽 紙切り
・市馬「狸賽」
馬風 漫談
~仲入り~
・真打昇進襲名披露口上(馬風小三治・市馬・喬太郎・小八)
・にゃん子・金魚 漫才
小三治「小言念仏」
・さん喬「替わり目」
・翁家社中 太神楽
・小八「居残り佐平次
 
カンジヤマ・マイム パントマイム
初めて見たけど、楽しい~。
正直言って寄席の色物さんってちょっとビミョーなものもあるので、こういう方たちにはもっと出てもらいたいなあ…。
トークも客席を巻き込むのもとってもうまい!
 
一朝師匠「やかん泥」
泥棒の子分がたまらなくいいキャラクター。陽気でおしゃべりで声が大きくてパーパーしてて。
「仕事をしたのか」と聞かれて「それが大笑い。あまりにばかばかしくて」と言って、ぐふふっと笑いながら喋る、この「ぐふふ」がほんとにかわいくてもうそれだけでにこにこしてしまう。
ぽかっとやられて怒り出したのに、兄貴分が中からお釜を渡すと「うわ、これは大きなお釜だー」とにこにこして、兄貴分が「もう機嫌が直ってやがる」とあきれるのが楽しい。
 
市馬師匠「狸賽」
狸に恩返しされる男が人としてダメな感じがありつつも、狸にはとっても優しくて、そこがとっても好き。
 
真打昇進襲名披露口上(喬太郎師匠:司会、馬風師匠、・小八師匠、小三治師匠、市馬師匠)
馬風師匠が真打の口上じゃなくてプロ野球(巨人)の口上。その後またひじで両隣を吹っ飛ばすのをやって、両隣の喬太郎師匠と小八師匠と吹き飛ぶ。(お約束)
馬風師匠の不真面目な口上に小三治師匠が時折しかめっつらをしながらくいっと振り向くのが面白かった。
市馬師匠はいつものようにまじめに褒めて、喬太郎師匠に促されて相撲甚句。いい声。
 
小三治師匠。
小八の師匠の喜多八は私の弟子で、みなさんもご存知の通り昨年5月に身罷りました。それで私が引き取りましたが、ながいこと見ていてこいつ…大丈夫かなと思ってましたけど、このお披露目で見て、びっくりしました。
こんなになるかとおもってね。
スパッとしたところはスパッと。怪しいところは…怪しいまま(笑)。師匠と一緒でね。
あいつの師匠は変なやつで…でも師匠がしっかりしてないと弟子はちゃんとするんですかね。
まぁ…喜多八も私の7人いる弟子の中で一番心配してましたけど、自分の落語をどんどん良くしていってお客様もたくさん付いて、いい噺をするようになりました。
小八もそれを引き継いでこれからますますよくなるでしょう。
今日も最後に上がりますが、途中でお帰りになったりせず…どうぞみなさん最後まで見て行ってください。応援してやってください。
 
そういって頭を下げた小三治師匠。
なんとなく回を重ねるごとに師匠が優しく…饒舌になっているような印象で、じーん…。
 
小三治師匠「小言念仏」
「今楽屋で急に思い出したことがあって」と小三治師匠。
 
喜多八が亡くなる少し前でしたか、急になついてきましてね。師匠、師匠って言ってくるんですよ。
もともとなついていた奴じゃないんですから。
弟子の中で一番ひねくれててなつかないやつだったんです。
それがね。何回か顔を合わすたびに、「師匠、カラオケ行きましょう」って言うんですよ。
昔はよく一緒に行ってて最近行ってないとかじゃないんです。一度も行ったことないんです。
なのに急にそう言いだして…。なんでそんなこと言うんだろうと思ってたんですけど。
 
分かってたんですかね。
あるいは…あいつはずっとなついてこなかったけど、ほんとはなつきたかったのかもしれません。
今思えばカラオケ、行けばよかった。
あいつと行けなかったら、じゃ弟子の小八と行くかって言ってもね…あいつと行っても面白くもなんともないしね。行ったら私は何を歌うかな…。みだれ髪?(といって一フレーズいい声で)
 
…喜多八師匠が亡くなった時にあまりそのことについて触れなかった小三治師匠。
多分いろいろ思うところはあっても言葉にはしないんだな、と思っていたんだけど、ふいにそんなことを話し始めたから、もう泣けてきてしまった。
そして、ああ…この人が好きだなぁと思ったのだった。なんか表し方とかそういうの全て含めて。
 
そんなまくらから「小言念仏」。
いつも通りなんだけど、小言を探してきょろきょろするのがおかしくて、また小言を言った後にさもいやそう~に念仏を唱えるのが楽しくて。大笑いだった。
 
この日は明らかに師匠として出る小三治師匠目当てのお客さんが大勢集まっていて、すごい拍手。
でも小三治師匠が終わったら帰ってしまうお客さんもいて、小三治師匠が「最後まで」ってお願いしていたのになぁ…なんだかなぁっていう気持ちになった。
 
小八師匠「居残り佐平次
大きな拍手に迎えられた小八師匠。
「こんなにお客様が来てくださったのは、小三治と喜多八のおかげだと思ってます。ありがとうございます」と小八師匠。
最前列の右側の席を指して「でも…帰っちゃったんですね…。いや…しょうがないですけど…でもここがぽつんと空いてると気になりますね。立ってる方、もしよければこちらに…。勇気いるでしょうけど、どうぞ…。…だめですか。」
 
えーん、誰か座ったらいいのにー。
と思っていたら女性がさささっと後ろから走って来られて座られた。
ああ、よかったー。ありがとうありがとう。私は親類でも何でもないけど。
 
「実はこの手拭いはレアものなんです」と持っていた手拭いを広げた小八師匠。
喜多八師匠がニツ目時代に使っていた「小八」の手拭いで、もう年代物で色も褪せてきてしまっているけれど、お披露目の高座ではこの手拭いをずっと袂に入れているのだ、と。
そして、前から師匠にあごのところのほくろを取れと言われていたのでとりました。これをとったら師匠が来てくれる気がして。
今日も師匠は…来てますかね…、と言いながら変なポーズをとって「…わかりませんね。あ、すみません」。
小三治師匠があんな風に話してくれてきっと小八師匠も嬉しかったんだろうな。
もしかするというつもりじゃなかったことを言ってしまったのかもしれない。
 
そんなまくらから「居残り佐平次」。
私にとって喜多八師匠といえば「居残り佐平次」で、というのは喜多八師匠って結構一つの噺を続けてやることが多くて、たまたま私が見に行くと何回も続けて「居残り佐平次」だったのでその印象がとても強いのだ。
小八師匠の「居残り佐平次」は、やっぱり師匠のカラーがとても強く出ていて、正直ちょっと背伸びをしているような感じを受けるところもあったけれど、でも佐平次の弾けっぷりは小八師匠独自のもので、ああ、きっとこれから自分のカラーをどんどん出していくんだろうな、と感じさせた。
特に後半に入ってからは肩の力が抜けたように弾けてて、楽しかった。
 
小三治師匠の今日のまくらは、喜多八師匠ファンの人たちが聞いたらうれしかっただろうなぁと思って覚えてる限りを書いてみたけど。あんまり書きすぎるのは無粋だよなぁというのと、録音してるとか誤解されたらいやだなぁというのと、私のもやもや記憶で書いたのでちょっと違うところもあるかもと 、どきどき…(と言いながらアップしちゃうんだけど)。