おばちゃんたちのいるところ
おばちゃんたちのいるところ - Where the Wild Ladies Are
- 作者: 松田青子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/12/07
- メディア: 単行本
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★★★★
わたしたち、もののけになりましょう!
あるときは訪問販売レディ、あるときはお寺の御朱印書きのアルバイト、そしてあるときは謎の線香工場で働く〝わたし〟たち。
さて、その正体は――?!
八百屋お七や座敷童子、播州皿屋敷お菊たちがパワフルに現代を謳歌する痛快連作短篇集。
嫉妬、憎しみ、孤独に苛まれ、お化けとなった女たちの並々ならぬパワーが昇華され、現代女性の生きにくさをも吹き飛ばす!
ここにしかない松田青子のユニークかつ爽快な17つの物語
読んでいて、あれ?牡丹灯籠?野ざらし?…松田さんってもしかして落語好きなの?と嬉しくなっていたら、後ろに各作品のモチーフ一覧が載っていて、これらは落語や歌舞伎をモチーフにした作品と気付いた。
当たり前の日常にひょいっと幽霊や異世界が混じりこんでくるところは確かにとても落語的で、こういう世界とっても好き。
私にとったらこれで3作目(エッセイを含めると4作目)の松田作品なんだけど、どれも同じじゃなくて、「こういう作風」というのを掴みきれなくて、そこに魅力を感じるなぁ。楽しかった。