りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

末廣亭3月上席夜の部

3/10(金)、末廣亭3月上席夜の部に行ってきた。


・小蝠「やかん」
青年団 コント
・圓馬「干物箱」
・伸治「ぜんざい公社」
・扇鶴 音曲
・蝠丸「文七元結

圓馬師匠「干物箱」
見るほどに好きになる。トリネタも見てみたいと思っていたら浅草演芸ホール4月上席夜の部のトリ!これは行かねば。


伸治師匠「ぜんざい公社」
ほんとにしょうもない噺だなぁといつも思うんだけど、伸治師匠が笑いながらなんかほんとに楽しそうにされているのを見て、思わず笑ってしまった。昭和チック。


扇鶴先生 音曲
好きだわー。初めて見た友だちが目が釘付けになっていて「な、なに?この人は?」とハートを射抜かれていたのがうれしかった~。でしょでしょ気になるでしょいいでしょ。


蝠丸師匠「文七元結
まくらなしでいきなり噺に入り、うおお!と思っていると「もう落語に入ってますよ」と言うので大笑い。この師匠のこういうゆるーいところが大好き。
あまり好きな噺じゃないんだけど、蝠丸師匠の「文七元結」はとってもよかった。

左官の長兵衛がいかにも江戸っ子らしく明るくて軽い。
博打に夢中になるあまり仕事をしないもんだから女房は着物も全部売るしかなくて思い詰めた娘は女郎になろうとさえしているのに、悲惨な感じが全然しない。
佐野槌の女将は長兵衛にちくりと言うけど、さばさばした印象。

吾妻橋のところで身投げしようとする文七を助ける長兵衛。
十両ないと死ぬと聞いて長兵衛が「五両にまからない?」「他のやつが通らないかなぁ。代わってもらいてぇなぁ」と言うのがすごくおかしい。
しょうがねぇなぁと五十両を文七に投げつけるんだけど、「この金はこれこれこういうわけで」と未練がましく説明するのも、人間らしくて好き。

文七が店に戻ってからの展開もスピーディなのでダレなくていいな。ここをねちねちやられると、ああもう!って焦れてくる。

こういう噺を「人情」とか「江戸っ子」とかっていうふうにきっちり理由付けをされると、「こんなことあるわけないじゃん」と思ってしまうんだけど、笑いたっぷりに軽くされると「落語の世界だなぁ」とそのありえなさも含めて楽しめる。

楽しかった!

そして幕が下りたあと「アンコールはありません」「千秋楽を迎えられました。ありがとうございました」と最後までサービス精神満載の蝠丸師匠、大好きだ。