ぎやまん寄席 馬治・さん助ふたり会
3/6(月)、湯島天神 参集殿で行われた「ぎやまん寄席 馬治・さん助ふたり会」に行ってきた。
・たま平「一目上がり」
・馬治「片棒」
・馬治「片棒」
・さん助「不動坊」
~仲入り~
・さん助「ぞろぞろ」
・馬治「抜け雀」
たま平さん「一目上がり」
初めて見た時は「うまい」と思ったけど、見るたびに苦手になって いくなぁ…。笑わせよう笑わせようとしてくどいから、聞いていてじりじりしてくる。
そして兄貴分が途中からご隠居口調になっちゃってた。うけようと するあまり散漫になっているような…。
馬治師匠「片棒」
40になって初めて経験することってあるんですね、と馬治師匠。
今年になって初めて花粉症になった。自分の場合は鼻水やくしゃみ より咳。あと鹿芝居に出ていてお化粧をしたら肌がかぶれて大変。 医者に見せたらこれも花粉症の症状らしい。
…ぶわははは。それはそれで面白いなぁ。
馬治師匠って古典に時々独自なクスグリを入れるから、わざとやっ たのかと思いそうだな。
それから駐車場で隣の車のバンパーをこすってしまった。
初めての事故だったのでこれはへこみました。
結局示談にできたんですが、問題はこの車、私のものじゃなくて… 金原亭馬生さんっていう方の車だったんですね…。
…いやぁ、もう面白すぎるよ、馬治師匠!
とほほって感じで言うんだけど、それがこうほどよくとぼけている からすごく楽しい。好きだなぁ、この師匠。なんたって顔がすごく 好み(←そこ?!)。なのにちょっと残念な感じがただよっていて そこがとっても噺家さんらしくて、たまらなく好き。
そんなまくらから「片棒」。
3兄弟がそれぞれキャラが立っていて面白い。
3兄弟がそれぞれキャラが立っていて面白い。
長男が弔いと聞いて「しめしめ」みたいなちょっと悪い顔。
次男はいかにもはすっぱな感じで入って来て、三男は陰気っぽい。
次男のところがもっとばかばかしくはっちゃけたら、もっと陽気になって楽しいと思う。
さん助師匠「不動坊」
大家さんに呼ばれた吉さんがお滝さんとの結婚を言われるところか ら。
お滝さんは俺の女房ですからと口をとんがらせるのがおかしいけど 、大家さんが「吉さんはまじめでおとなしくて」 と言ってるだけのことはあって、 そんなにエキセントリックな人物じゃないところが好印象(笑)。
そのあと、風呂で他の3人の悪口を言ってのろけるところはフツウ なんだけど、帰ろうとする吉さんに徳さんが声をかけて「どういう ことだ」というのは初めて聞いた。
徳さんのところに集まって不動坊の幽霊を出そうと相談して、幽霊役に噺家を 頼むんだけど、これが前座じゃなくて引退したギスケじいさん。ギ スケじいさん、登場する時に、げほっげほっと激しく咳き込んで、 もう最初からだめな感じが漂っていておかしい。
アルコールとたいこを万さんに頼んだあと、このギスケじいさんが 「私のセリフは?」と聞くと、徳さんが教えるんだけど、これをギ スケじいさんが何度も「え?」と聞き返すのがおかしい。
そのやり取りを何度かやった後ギスケじいさんがやって見せるんだ けど、これが芝居調でなかなかの迫力。
屋根に上がるのもぜいぜい言いながらで今にも死にそうなギスケじ いさん。
徳さんと万さんと喧嘩をしてると「おい。ギスケじいさんが寝ちゃ ったよ」。
そしていよいよ幽霊で出るんだけど、これが先ほどの練習と打って 変わって棒読み。
「おい。本番の方が下手じゃねぇか!」には大笑い。
吉さんに祝儀をもらうと寝返るギスケじいさんをひもで引っ張ると 、ぶるん!と幽霊の形になるんだけど、このぶらさがる形がやたら とおかしい。この形だけでこんなに笑えるって…ずるいよ!
ひっくりかえるほど面白かった~。
さん助師匠「ぞろぞろ」
前半がたっぷりだったので、あっさりと。
「ご利益ですよ」というおばあさんがちょっと怪しげなのがさん助 師匠らしい。
あと、床屋の親方っておじいさんだったの?!
サゲがちょっと気持ち悪いのもさん助師匠らしい。(ほめてます? )
馬治師匠「抜け雀」
お人よしで一文無しばかり泊めてしまう宿屋の主人が馬治師匠と重 なって見えて、とってもほほえましい。
硯を持ってこいと言われて「もういやになっちゃうなぁ。」とぶつ ぶつ言いながらも、はいはいと言うことをきいてしまう人の好さが 心地いい。
雀が抜け出して驚いて女房のところに駆けつけるも、説明がわやわ やしていて聞いてもらえないのがおかしい。
評判になって宿屋がどんどん大きくなって、本館、別館、アネック スとできるっていうのに大笑い。
老人が止まり木を描いてやるというと、墨を擦って「いい匂いです ね。鼻だけはほめられます」と言うのもおかしいし、絵を描くと言 われて角度を調整して「慣れておるな」と言われるのも楽しい。
なんか馬治師匠ってこういう人情噺がとっても合ってる気がする。 じっくり聴かせるけど、くどくなくておかしみもあって…いいな。
いやー楽しかった。
この二人会、いいなぁ。すごくいい組み合わせ。
そして入り口に立てかけてある「馬治・さん助の会」というのが「馬治さんを助ける会」に 見えるところがまた楽しい(笑)。