りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

黒門亭2864回

 1/14(土)、黒門亭2864回に行ってきた。

・はまぐり 「たらちね」
・小んぶ 「新聞記事」
・甚語楼「松曳き」
~仲入り~
・たけ平「小田原相撲」
・今松「風の神送り」

小んぶさん「新聞記事」
黒門亭に来る前に産婦人科で行われた落語会に出てきたという小んぶさん。二ツ目さん何人かで行ったらしいのだが、着物姿で院内を歩いていると「あら、落語家さんよ」と言われ、「おお、ちゃんと落語家ってわかってもらえてる」と思っていると、小んぶさんを見て「あ、お相撲さんもいる」。
子どもが握手を求めてきたので、握手してあげなら「どすこい」。

…ぶわはははは。

「新聞記事」は確か小んぶにだっこで聞いたことがあったんだけど、サゲを聞いてもわかってない男の反応がとても面白い。
話したご隠居も「え?そんな反応?じゃ…忘れてくれ…」と戸惑うのだが、しばらくしてサゲの意味に気が付いて「面白い!!」。
「天ぷら屋だけに…じわじわきました」と言うとご隠居が「はぁ?」という反応。「え?おもしろくない?ご隠居が言ったサゲと同じようなもんだと思ったんだけど」。

友だちのところに行ってやってみるんだけど、「逆上」を間違えて「欲情」と言ってしまい、「え?欲情したの?それでどうなった?」「それで…まくらを交わしたんだな」「え?まくらを?!」。
その後に今度は「体をかわす」が出てこなくて「あれだよ、あれ…。まくらをかわしたんだよ」「え?やっぱりかわしたの?」。

ちょいちょい小んぶさんテイストが出ていておかしい~。小んぶさんの面白さが黒門亭の御常連さんたちに広まるといいなぁ。


甚語楼師匠「松曳き」 
もっと見てみたいと思ってる甚語楼師匠をこうして見られてうれしい。
一門でセブ島に行った時のこと。我太楼師匠と二人でサウナに入ったんだけど、そこに瓶が置いてあった。これはなんだろうと中の水をすくって匂いをかいでみると、ミントのいい匂い。種明かしをしますとこれサウナにじゅっとかけてミストにするための水だったんです。でも我太楼が「いい匂いがするからこれは体に擦り付けるんですよ」と言い、そうなのか!と二人ですくっては体にこすり付けていた。
後から入った外人さんたちがおかしな顔をして見ていたけど、考えみたらわかりそうなもんだけど「ここは外国」と思ったらこう…なんか緊張しちゃって、思い込んじゃったんですね。

そんなまくらから「松曳き」 。
おっちょこちょいの殿様も三太夫も妙にちゃんとしていて威厳があるのがおかしい。
「餅は餅屋というからな」と言って、植木屋を探すつもりが「餅屋を探せ」と言ってしまう三太夫。それを聞いた植木屋「あの三太夫さんは人を探す時だいたいいつも餅屋から探す」。
…ぶわははは。ばかばかしい~。

なんかこの師匠のクールなところがとても好きだ。


たけ平師匠「小田原相撲」
相撲ファンと相撲マニアは違う。ファンはどんな取組を見ても楽しんでる。でもマニアは取組なんか見ない。指導の方を見て「お、〇〇の腕時計が変わった」。
落語もそう。落語ファンはどんな噺家が出てきても楽しんで聴くけど、マニアは柳家と春風亭の落語は聴くけど…。

客をいじったり毒を吐きながら「小田原相撲」。面白かったけど、声がちょっと苦手かも…。とくに黒門亭みたいな小さい会場だと、ちょっと…。あと、毒のある客いじりは好きじゃないんだよなぁ。私はマニアじゃなくてファンだけど。


今松師匠「風の神送り」
今松師匠って気難しそうだけど、落語に温かみがあってそこがすごく好きだなぁ。
風の神送りをしようじゃないかということになり、奉加帳を用意する若い衆。字が書けるやつが「墨をすれ」「筆を洗って来い」とえばるんだけど、それを聞いて「なんだえらい手数がかかるんだな」とぶつくさ言いながらやってあげるところとか、奉加帳を持って寄付を求められた店の主人が「ああ、そういうことですか」と受け入れるところが、なんかほかっと温かい。
ケチで有名な大店に行って二文しか出さない番頭に文句を言う若い衆。それに対して番頭がまたなんだかんだとまくしたてると「もういいや、やめとこう。」とすっと引くところも、なんかさっぱりしていていいなぁ。

なんか聞いたことがあったなと思ったら、小満ん師匠で一度聞いたことがあったんだった。
いかにも落語らしい、バカバカしい噺。楽しかった!