りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家小三治独演会 横浜にぎわい座

4/12(火)、横浜にぎわい座で行われた「柳家小三治独演会」に行ってきた。

・こみち「蛇含草」
小三治粗忽長屋
〜仲入り〜
小三治「青菜」

こみちさん「蛇含草」
わーい、こみちさん。
新潮148センチのこみちさん。前座の頃は師匠のお宅でご飯をいただくから残すわけにいかず最高に太っていた。この時が最高体重で56キロ、最小体重は2600グラム、には笑った。
そんなまくらから「蛇含草」。餅の曲芸食いが楽しい。小さいからだのこみちさんがぐいっと伸び上がって落ちてくる餅を食べたりするのがのびのびしていて気持ちいい。
何回か見ているけどちょっと緊張気味だった?小三治師匠の会は緊張するのかな。

小三治師匠「粗忽長屋
最近物忘れがひどくて落語をしていても名前が出てこなかったりする、と小三治師匠。
長男の息子が15歳で高校に受かったというので祝いをやろうと思って祝儀袋を出してきて名前を書こうと思ったら出てこない。あれ?なんて名前だっけ?嫁に聞くとふざけてると思われたらしく「やだ、おとうさんったら。ほら、ゆう…」途中まで言われても、全然ぴんと来ない。だってもうちょっとで出てきそうとかそういうんじゃなくて空っぽなんだから。なんにもないんだから。
フルで教えてもらって「ああ、そうか。そうだったな」
自分のその言い方で冗談じゃなかったとわかったみたいだった。
それから福島に行った時の話。
これは宮崎に疎開した時の話や親の話などあっちこっちに飛びながら。原発でまだ汚染されている地域があって復興も進んでないのにオリンピックなんかやってる場合かよ、と。

そんなまくらから「粗忽長屋」。
これがもうべらぼうに面白かった。 ありえないような勘違いの噺だけど、ほんとにそういうことあるかも。あれ?小三治師匠もそう思ってやってるんじゃない?やってるっていうか小三治師匠もわからなくなっちゃってるんじゃない?と思うほどの自然な面白さ。すごいすごい。
これが小三治師匠の落語の面白さなんだよなぁ…。うまいとかそうでもないとか、ピークは過ぎたとかなんとか、そんなのとは違う次元。小三治師匠そのものが落語になっちゃってる面白さ。
たくまず面白い。まくらもじんわり効いていてそれがまたおもしろい。
こういう高座に出会えるから小三治師匠の会は全部行きたくなる。

小三治師匠「青菜」
まくらなしでいきなり「植木屋さん、ご精が出ますな」。
その一言でもう縁側と旦那の姿が浮かんできてぞくぞくっとくる。

小三治師匠の「青菜」はとにかく植木屋さんがかわいい。こんなかわいい植木屋さんを他の人で見たことがない。
旦那と植木屋さんの会話は旦那が鷹揚なので植木屋さんがいかにも職人という感じがするのだが、家に帰るとおかみさんがちゃきちゃきしてるので植木屋さんがぼんやりしている感じがするのも面白い。
たつ公が出てきてまた別の視点が入ることで後半に入るとますます面白くなっていく。

小三治師匠の落語はほんとにいいなぁ。やっぱり別格。ラブ。